雑学・豆知識

社会主義・共産主義・民主主義・資本主義の違いって何?

社会主義・共産主義・民主主義・資本主義

社会科で、政治や経済について学ぶと必ず出てくる“〇〇主義”という言葉。

特に、社会主義と共産主義、民主主義と資本主義は、違いがあいまいで混同しがちです。

そこでこの記事では、社会主義・共産主義・民主主義・資本主義の違いをわかりやすくまとめました。

社会主義とは?

社会主義とは、国が資本を管理して、富を公平に再分配する経済システムです。

社会主義における経済活動は、国の計画に基づいて行われます。

世界初の社会主義国家は、旧ソ連です。

ソ連は崩壊しましたが、キューバ・ラオス・ベトナムなどは社会主義国家として健在です。

共産主義とは?

共産主義は、社会主義をさらに発展させたものです。

共産主義では、富は皆で共有するもので、必要に応じて受け取れるものとされます。

私有財産を完全に否定し、平等を徹底した究極の社会主義が共産主義といえます。

ちなみに、共産主義を実現した国家は存在しません。

そもそも、すべてが平等な共産主義では“国”というシステムも不要になるため、共産主義と国家は相いれないものといえます。

民主主義とは?

民主主義は、市民が主役の政治システムです。

民主主義で権力を持つのは、独裁者や君主ではなく市民です。

自由や人権、平等が重視され、多数決で国の方針が決定されます。

資本主義と相性が良いため、混同して使われがちですが、民主主義と資本主義はセットではありません。

例えば、サウジアラビアは君主制ですが資本主義です。

また、シンガポールは一党独裁政治ですが、資本主義です。

資本主義とは?

資本主義は、人や企業が自由に経済活動を行う経済システムです。

社会主義や共産主義とは、正反対の経済システムといえます。

資本主義では、利益に応じて報酬を得ることができます。

がんばり次第で、莫大な富を手に入れることも不可能ではありません。

一方で、失業・破産などのリスクもあります。

資本主義は、18~19世紀の産業革命によって大きく発達したといわれています。

日本で資本主義が発達したのは、明治時代以降です。

社会主義・共産主義・民主主義・資本主義の違い

社会主義・共産主義・資本主義は、経済システムを表す言葉です。

この3つの主義の大きな違いは、富の帰属先です。

  • 社会主義では、富を国家が管理し、市民に再分配します。
  • 共産主義では、富を市民が共有し、必要な分しか分配されません。
  • 資本主義では、富を支配するのは人や企業です。国家は基本的に関与しません。

平等という点で社会主義や共産主義はすぐれたシステムといえますが、がんばらなくても暮らしていけるため、経済の停滞を招く可能性があります。

資本主義は貧富の差が大きくなる危険性がありますが、きちんと働かなければ生活できないため、経済は大きく発展します。

一方、民主主義は政治システムを表す言葉です。

自由や権利、平等が重視され、多数決で国の方針が決められます。

経済活動の自由と深く関わるため資本主義と相性が良いですが、必ずしもセットではありません。

まとめ

まとめ
  • 社会主義は、国が富を管理・再分配する経済システム。
  • 共産主義は、市民が富を共有する経済システム。平等を徹底した究極の社会主義。
  • 民主主義は、市民が権力を持つ政治システム。資本主義と相性が良い。
  • 資本主義は、人や企業が自由な経済活動を行う経済システム。

貧富の差が大きくなるのも問題ですが、私有財産が全否定されるのも好ましくありません。

自由な経済活動と平等が両立する経済システムが、理想の経済システムといえるかもしれませんね。