この記事では、セキセイインコが最もかかりやすい病気の一つ、そのう炎についてお話したいと思います。
「そのう」とは、鳥類や昆虫、軟体動物などにある消化器官の一部で、食べたものを一時的にためておく袋状の器官です。
そのう炎は、その「そのう」が炎症を起こしてしまう病気です。
原因や症状についてまとめてみましたので、インコさんの健康管理のお役に立てられたら幸いです。
目次
セキセイインコのそのう炎の症状5つ
そのう炎の主な症状はこの5つです。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 頻繁なあくび
- 水をたくさん飲む
いつものインコさんの様子と比べてみて、これらの症状が現れたら「そのう炎」が疑われます。
嘔吐
まずわかりやすい症状なのが嘔吐です。
ヒナが嘔吐していたら、そのう炎の可能性が高いでしょう。
ただし、成鳥の求愛行動で「吐き戻し」行為というものがあります。
これは正常な行動なので、違いを見極める必要があります。
求愛行動の「吐き戻し」は、首を縦に動かして食べ物を戻します。
ですが、病気の時の嘔吐は、首を横に振って、撒き散らすように吐きます。
それによって、顔や頭が嘔吐物で汚れてしまいます。
また、嘔吐物や口臭から発酵した臭いがするのも特徴です。
下痢
インコの種類や食べたものにもよりますが、いつもより水っぽい糞をしていたら、そのう炎に限らず、なにかしら病気にかかっている可能性が高いです。
糞は大事な体調のバロメーターです。
毎日掃除の時などにチェックしましょう!
食欲不振
そのう炎にかかると、食欲も低下します。
様子がおかしいかな?と感じたら、食べる前と食べた後の餌の重さを測ってチェックできるとベストです。
全く食べていないようでしたら、すぐに病院へ連れて行きましょう!
頻繁なあくび
そのう炎の主な特徴として、あくびを多く繰り返すといった症状が見られます。
もちろん、眠たい時などには正常なあくびもしますが、いつもと違って頻繁にあくびをしている様子が見られたら、そのう炎を疑ってみましょう。
水をたくさん飲む
健康なインコさんでしたら、一日に飲む水の量はほんの少しです。
明らかに水入れの水が減っていたり、無くなったりしていたら、そのう炎や、なにかしらの病気にかかっている可能性が高いでしょう。
セキセイインコがそのう炎になる3つの原因
それではどういった事が原因で「そのう炎」のなってしまうのでしょうか。
これらに気をつけて、そのう炎を予防しましょう!
挿し餌の作り置き・温度管理
まず多いのは、挿し餌をあげているヒナがかかりやすいです。
挿し餌は水分を多く含んでいますので、作り置きしたりすると、雑菌が繁殖してしまいます。
たまにペットショップなどで、ふやかした粟玉をヒナがいるケースの中に置きっ放しにしているのを見かけることがありますが……これはNGです!
挿し餌はその都度作って、新鮮なものをあげるようにしましょう。
また、挿し餌の温度も大切です。
冷たすぎると消化が悪くなってしまい、未消化の餌がそのうに溜まって細菌が繁殖し、炎症を起こしてしまいます。
逆に熱すぎても、やけどを起こしてしまい、これまた炎症に繋がってしまいます。
だいたい人肌くらいの温度が適温です。
挿し餌をあげている途中で冷えてしまったりしたら、レンジで再加熱するなどしてあげましょう。
いつまでも挿し餌を与えている
ある程度ヒナから成鳥したにもかかわらず、いつまでも水分を多く含んだ挿し餌をあげていると、そのうの中で菌が繁殖してそのう炎になってしまいます。
徐々に硬い大人用の餌が食べられるように、練習させてあげましょう。
だいたい生後30日を過ぎたくらいから大人用の餌に切り替えていけたらいいですね。
他にも、飛ぶ練習を始めたり、容姿も大人のようになってきたら、切り替えのサインですよ。
人間の食べ物を与えている
成鳥になってからは、人間が食べるようなもの(パンやお米など)を食べさせてしまうと、消化管の流れが悪くなってしまい、そのうの中で細菌が繁殖し、そのう炎になってしまいます。
インコに人間の食べ物を与えるのはNGです!
セキセイインコのそのう炎の治療法
そのう炎の治療法は、とにかくいつもと様子が違って、嘔吐やあくびを繰り返しているのを見たら、すぐに鳥専門の病院へ連れくことです。
獣医さんに診てもらい、適切な治療を受けましょう。
また、病鳥さんは保温が大切です。
おうちでは、しっかり暖かく、清潔な環境を作ってあげましょう。
日ごろからインコの様子を観察して早期発見・早期治療を
そのう炎は、ペットショップにいる時からかかっている子も多く、ヒナから挿し餌で育てる場合は注意が必要です。
新鮮で清潔な餌をその都度作ってあげることが大切です。
また、成長にあわせて、徐々に大人用の餌に切り替えていきましょう。
成長してからも、人間の食べ物を与えてはいけません!
もし嘔吐や頻繁にあくびを繰り返すのを見かけたら、そのう炎のサインです。
すぐに鳥専門の獣医さんに診てもらいましょう。
大切なのは、早期発見・早期治療!
治療が早ければ早いほど、完治の確率が上がります。
もしインコさんが病気にかかっても、すぐに異変を察知して対応できるように、いつものインコさんの様子をしっかり把握しておきましょう。