海に潜ったことのある方は、色鮮やかなウミウシを見かけたことがあるかもしれません。
美しいウミウシは、“海の宝石”とも言われ、ダイバーたちに大人気です。
その一方で、見た目も動きも地味なアメフラシやナマコ。
特にアメフラシは形がウミウシに似ているため、何がどう違うのだろうと思いますよね。
そこでこの記事では、違いはあるものの見分けが難しいアメフラシ・ウミウシ・ナマコの違いについてまとめました。
アメフラシとは?
アメフラシは、軟体動物の一種で、貝殻が退化した巻貝の一種です。
貝殻を体内に持っているものもいます。
刺激を与えると海中で紫色の液を出し、その様子が雨雲に似ていることから「アメフラシ」と呼ばれています。
日本にいるアメフラシは15cmほどのものが多いですが、30cmを超える大きなものもいます。
草食で、海藻やコケなどを主食としていますが、エサが少なくなると穴を掘って食べられるものを探します。
雌雄同体で、頭の方にオスとしての生殖器を、背中にメスとしての生殖器を持っています。
ウミウシとは?
ウミウシも軟体動物の一種で、貝殻が退化した巻貝の一種です。
こちらも貝殻を持っている種類が存在します。
「ウミウシ」という名前は、牛の角のように見える触覚に由来します。
大きさは、数mm程度のものから30cmほどになるものまでさまざまです。
ウミウシは肉食で、カイメンやイソギンチャク、コケムシ、ホヤなどを食べます。
ただし、種によって食べるものが決まっているため、飼育は難しいと言われています。
ちなみに、ウミウシも雌雄同体です。
ナマコとは?
ナマコは棘皮動物で、ヒトデやウニの仲間です。
動きはあまり早くなく、海底をゆっくり這って移動します。
しかし攻撃されると、敵から逃れるために内臓を放出するものもいます。
ナマコは再生能力が高いため、失われた内臓は1~3ヶ月ほどで再生するようです。
ナマコは、オスとメスの区別がありますが、通常は見分けがつきません。
しかも、多くの種は交尾をせず、体外受精で繁殖します。
アメフラシ・ウミウシ・ナマコの違い
3者の違いを表にまとめました。
アメフラシ | ウミウシ | ナマコ | |
分類 | 巻貝の仲間 | 巻貝の仲間 | ヒトデやウニの仲間 |
色 | 地味なものが多い | 派手なものが多い | 地味なものが多い |
大きさ | 15~30cmほど | 数mm~30cmほど | 数十cm以上 |
エサ | 海藻やコケなど | カイメン・イソギンチャク・コケムシ・ホヤなど | 生き物の死骸や有機物 |
毒 | ない ただしエサによる |
高確率で毒を持っている | 高確率で毒を持っている |
なお、食用で販売されているナマコは、加工段階で毒を取り除いているそうです。
また、地方によっては、アメフラシやウミウシも食用として用いることがあります。
まとめ
- アメフラシは、巻貝の一種。刺激すると紫色の液体を出す。
- ウミウシは、巻貝の一種。色は派手だか比較的小さい。毒を持っていることが多い。
- ナマコは、ウニやヒトデの仲間。結構大きい。食用として流通している。
違いを知っても、外観だけで見分けるのは難しいものです。
興味のある方は、水族館などでじっくり観察してみましょう。