よくヒョウモントカゲモドキ(以下レオパ)の飼育を考えている人が疑問に思うポイントとして「爬虫類って懐くの?」という疑問が挙げられます。
レオパをはじめとした何種類かの爬虫類は人によく慣れてくれます。
もしレオパがハンドリング不可で人に慣れにくい種類であればここまでの人気っぷりを見せる事は無かったのかもしれませんね。
この記事ではそんな触れ合いのできるレオパが懐くのか、また懐いてる時にどんな行動を見せてくれるのかをご紹介していきたいと思います!
目次
ヒョウモントカゲモドキってなつくの?
レオパをはじめとした爬虫類に関してよく言われる論説として、爬虫類は「なつく」のではなく「慣れる」生き物だというものがあります。
多くの爬虫類は基本的に野生下でも単独行動を好み、コミュニケーションを重視しない進化を遂げたので、基本的には「なつく」ことはないと思います。
「なつく」と「慣れる」の境界線は曖昧な部分も多いですが、筆者自身の感覚で語るなら、
- 自ら進んで飼い主とコミュニケーションを取ろうとする行為は「なつく」
- 飼い主からアクションがあっても特に驚いたり逃げたりしない状態は「慣れる」
なのではないかと考えています。
ですがレオパを長く飼育していると、飼い主が帰ってくると外に出してほしそうにケージ内を歩き回ったり、ハンドリングの最中にずっと飼育者の身体から離れなかったりと、単なる「慣れ」ではないような愛らしい行動を見せてくれる事もあります。
ですので「なつく」「慣れる」の定義や感覚は飼育者によって個人差はありますが、ペットと触れ合いたいという飼育者さんにとってのニーズにもしっかりと答える事のできる生き物であると言えるでしょう。
現在のレオパはWC(Wild Caught:野生個体)ではなくCB(Captive Breed:繁殖個体)が圧倒的に多く流通しており、WCの個体と比べるとCB個体はどことなく柔らかい表情を浮かべている個体が多く、そのような観点からみるとレオパは徐々に「慣れる」動物から「なつく」動物へと進化していってるのかもしれませんね。
ヒョウモントカゲモドキがなついている時に見せる仕草・行動
さて、先ほどもご説明したとおり「なつく」と「慣れる」の定義は個々人の認識の違いによって変わってくるので、以降の記事では便宜的に「なつく」と表現させていただきます。
ではそんなレオパがなついている時に見せる仕草や行動にはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう!
「出せ出せダンス」をする
まずなついているレオパは頻繁に「出せ出せダンス」をしてきます。
出せ出せダンスとは、ケージに手をのばして出してほしそうに飼育者に訴えかけてくるとても愛らしい行動です。
お迎えしたばかりのレオパにも同様の行為が見られますが、この場合の出せ出せダンスは慣れない飼育環境に不安を覚えた上での出せ出せダンスです。
この状態の時にケージ内の掃除などで手を入れるとものすごい勢いで逃げようとするので、不安な状態からの行動だということがわかりますね。
しかし、お迎えしてしばらく経ち環境やハンドリングにも慣れた個体だと、ケージ内に手をいれても逃げずにしっかりと手の上に乗ってくれます。
飼い主の身体に登ってくる
その他のなついた個体に見られる行動として、部屋んぽ(部屋散歩)中に広いスペースに放しているにも関わらず、飼い主の身体に登ってきたりという一面も見せてくれます。
その他にも個体によって様々な行動で飼い主への信頼を示してくれますので、レオパの機嫌を損ねない程度に触れ合ってあげてくださいね。
ヒョウモントカゲモドキになついてもらうためにできること
レオパの愛情表現をご紹介したところで、ではどのようにすればレオパになついてもらえるのか?
いち早くレオパになついてもらうためにも注意したい点をご紹介していきたいと思います!
お迎えしてすぐはそっとしておく
まず一番にやらなければいけない事として、お迎えして一週間程はソッとしておいてあげるという事です。
一見すごく簡単な事のように見えますが、初めてレオパをお迎えしたばかりの時は気になって何度もケージの中を除いたり、不安になって無理にハンドリングしようとしたりしてしまいがちです。
また、餌に関してもレオパはある程度の期間であれば栄養を尻尾に貯めておくことができるので、無理に給餌しようとせずに落ち着きを見せるまでは放っておいてあげましょう。
お迎えしてすぐに過度な干渉をしてレオパに人間に対する恐怖心を植え付けてしまう事は非常に良くないです。
とはいっても個体差はあるので、2~3日するとすぐに環境に慣れる子や、一か月経ってもずっとシェルターにこもりっぱなしの子など様々です。
レオパにストレスを与えない程度にケージ内を観察して、水替えや掃除の時もなるべく驚かせないように優しくお世話してあげてください。
人間の手に慣れさせる
次に、ある程度環境に慣れたレオパとの距離をより近くに、そしてハンドリングを出来る個体に育てるためのテクニックをご紹介したいと思います。
テクニックといってもこちらも簡単ですが、ケージ内にただ手を置いておくだけです。
少しの時間でもいいので暇のある時はケージ内に人間の手がある状態を作ってあげることで、徐々に人間の手は自分たちにとって害のないものだと認識してくれるようになります。
手を近づけても露骨に逃げようとしなくなれば、晴れて立派な手乗りレオパとして成長したと言えるでしょう。
ハンドリングに関しても大抵の個体は慣れてくれますが、そうはいってもやはり個体差がありますので、どうしてもハンドリングが嫌いという子には無理をさせないように注意してあげてくださいね。
怖がらせないように徐々に慣れてもらおう
- レオパは「なつく」ではなく「慣れる」が基本
- なつくと自らケージに出たがる
- お迎えしてすぐは必ず安静に
- 人間の手に慣らすことでハンドリング成功率UP!!
爬虫類の「なつく」「慣れる」論争は古くから続いておりますが、結局のところ私たち人間にはレオパ達の気持ちを完全に理解することはできません。
しかし、小難しい話を抜きにして、彼らが時折見せてくれる素晴らしい表情や仕草の前ではそんな認識の定義は些細な問題です。
レオパはそんな事どうでもよくなる程に愛らしい生き物なんです。
可愛いレオパをハンドリングしたい!という飼い主さんはしっかりとした手順を踏んで、レオパを怖がらせないように徐々に慣らしていってあげてくださいね!