ヒョウモントカゲモドキ(以下レオパ)を飼育している方々は、飼育者それぞれの環境に合わせて様々な創意工夫を凝らしながら保温対策を行っています。
とりわけ北の地方などの寒い地域の飼育者にとっては、寒さ対策は愛するレオパをぶりぶりの健康体に育てあげるには避けては通れない重要な問題となってきます。
この記事ではそんな悩みを解消するために、しっかりと冬を越せるよう保温・暖房など冬の寒さ対策についてご紹介していきたいと思います!
目次
レオパの冬の保温方法
よくホームセンターなんかで見かけるレオパ達はパネルヒーター1枚のみで飼育されている事が多いですよね。
こういった保温方法はあまりベストであるとは言えませんが、確かに春先から夏にかけては外気温も比較的高いことから、このパネルヒーター1枚のみで保温できます。
ですが秋から冬にかけてはそうもいきません。
パネルヒーターのみでは不十分
まず、レオパに限らず多くの爬虫類飼育で用いられるこの「パネルヒーター」ですが、その特性についてしっかりと学ぶ必要があります。
パネルヒーターは私たち人間で例えるならば床暖房のようなものだと考えてください。
ではなぜこのパネルヒーターのみでは冬の保温に不十分かというと、これも私たち人間に置き換え考えるととてもわかりやすいです。
例えば真冬の寒い室内で、「床暖房だけで過ごせ」と言われたらどうでしょう?
もう寒すぎて常時床に体のあちこちをくっつけてしのいでいかなければならないと考えると到底無理ですよね?
レオパ達にとっても同じ事が言えるんです。
つまりパネルヒーターというのは、ケージの床を温める器具であって、ケージ全体の空気を温めてくれる器具ではないというわけなんですね。
暖突や保温球などのケージ全体を温める保温器具が必要
あくまでパネルヒーターはレオパ達のお腹を温める補助の保温器具と考えて、こちらの記事でもご紹介した暖突や保温球といったケージ内全体を温める保温器具が必要になってきます。
例外があるとすれば、24時間エアコンによる暖房で室内の温度を調節できる場合のみとなりますので気を付けてくださいね!
しかし無論「健康な個体へとしっかり育て上げる」という飼育者のモットーからは大きく逸れた行為になってしまいますので悩ましい問題です……。
レオパの保温の際に気を付けること
さて、レオパの保温方法には、
- 暖突or保温球+パネルヒーター
- エアコン+パネルヒーター
の2種類があるという事がわかりましたね!
次は保温の際に気を付けるべきポイントについて見ていきましょう!
サーモスタットを用意する
まず、一番に抑えておきたい点として「サーモスタット」を必ず用意するという事です!
最近のパネルヒーターは温度を自動制御してくれる製品も多いので、今までパネルヒーターのみで保温していたという方はサーモスタットを持っていないという方も多いでしょう。
このサーモスタットについて改めて説明しますと、設定した温度上限に達したら接続している保温器具への給電を自動でストップしてくれるという優れものです!
もはや爬虫類飼育にとっては必須とも言えるこのサーモスタット。
少し話がそれてしまいましたが、サーモスタットを用意してあげることで私たち飼育者が細かに温度計をチェックする手間が省け、外出の際などにもとても安心できます。
寒すぎも爬虫類にとっては毒ですが、熱すぎもまた然りというわけですね。
なかなかケージの温度が上がらない場合は
さて、今までご紹介した方法で大抵の場合はケージ内の温度を適切に保つことが出来るとは思いますが、非常に寒い地域に住んでいる方なんかはそうもいかない場合もありますよね。
そんな時の最終手段として挙げられるのが「温室」を用意してしまう方法です!
爬虫類飼育者の間でメジャーな温室製作方法として、ホームセンターなどで気軽に手に入り保温性に優れた建材のスタイロフォームなどをケージやラックの側面に貼り付けてあげるというものがあります。
そして正面には視認性を確保するためにカットしたビニールシートの上だけを固定してあげれば完璧です。
スタイロフォームは比較的安価で入手しやすいので、一番お手軽にできる保温対策ですね。
その他にも園芸用の温室を買って、その中に温風ヒーターを設置して温室全体を温める方法や、非常に値段が張りますが爬虫類用のガラス温室なんかも売っています。
中々ケージの温度が上がらないという方は是非温室を試してみてくださいね!
保温以外で冬にやるべきこと
さて、保温に関する心配が解消したところで、もう一点忘れてはならないポイントがあります。
それは毎度おなじみの「湿度管理」です。
ケージ内の温度が上がったはいいものの、それに反比例して湿度が下がってしまうという事はよくある事です。
これは考えてみると当たり前のことですが、熱によって水分が蒸発しやすくなるのでその分湿度も下がってしまいます。
毎日のお世話でいつもより多めに霧吹きをしてあげれば特に問題はないのですが、3日~1週間以上家を空ける場合などははかなりの乾燥状態となりますので気を付けなければなりません。
そんな時に活躍するのが「自動給水器」です。
爬虫類や昆虫用に、プラスチックのボトルから出た紐から自動で水が染み出してくれる便利な器具が非常に安価で出回っています。
サイズもそれぞれ用意されているので、飼育しているケージ環境に合わせたサイズのものが見つかるはずです。
冬場の長期不在の際には自動給水器を用意してあげるのを忘れずに、加えてウェットシェルターや水皿に普段より多めに水をいれておいてあげるとより安心感も増す事でしょう!
湿度の管理方法はこちらの記事でも詳しく解説しているので、是非ご覧ください。
しっかり保温して冬を乗り切ろう
- パネルヒーターのみでは冬は越せない
- 暖突or保温球+パネルヒーターをセットで用意する
- もしくはエアコンで24時間管理
- 「温室」を用意するというのも一つの手
- ケージの乾燥にも要注意!
夏場とは違って冬の保温にはより一層注意しなければならないということがわかりましたね!
爬虫類の飼育はよくお金がかかると言われていますが、今回ご紹介したスタイロフォーム温室や自動給水器などは非常に安価に揃えることができます。
また、ネットで検索をかけると多くの先駆者たちの保温方法が紹介されているので一度目を通しておくことをおすすめします!