麦にはいろいろな種類がありますが、それぞれ性質や使用用途が異なります。
またアレルギーのある方にとっては、麦の種類が重要であることも少なくありません。
そこでこの記事では、日本では結構メジャーな麦、大麦・小麦・ライ麦の違いについてまとめました。
大麦とは?
大麦はイネ科の植物で、ビールや麦茶などのほか、味噌や醤油の原料としても使われます。
チョコレートをかけた「麦チョコ」や麦飯に使われる麦は、いずれも大麦です。
「大」とつくので大きい麦だと思われがちですが、大麦の「大」は「メジャーな、重要な」といった意味のほうが強いそうです。
大麦は小麦に比べて古くから日本にあり、厳しい気候でも育つこと、栄養価が高いことなどから生活に欠かせない食品だったとされています。
そのため、「大(切な)麦」とされたのでしょうね。
小麦とは?
小麦もイネ科の植物です。
小麦粉にしてから麺類やパン、お菓子類などに加工されます。
小麦粉に水を加えてこねると「グルテン」と呼ばれるタンパク質がつくられます。
グルテンの量によって小麦粉は「薄力粉」「中力粉」「強力粉」などに分類されます。
グルテンは食物アレルギーの原因物質でもあります。
ライ麦とは?
ライ麦もイネ科の植物です。
別名「黒麦」ともいいます。
ビールやパンなどの原料として使われるほか、飼料として栽培されることもあります。
ちなみに、黒麦の別名の通り、ライ麦でつくったパンは黒っぽい色をしています。
ライ麦の「ライ」は英語の「rye」に由来します。
寒冷地法の痩せた土地でも育つことから、緯度の高い地域でも広く栽培されています。
ピタミンなどを多く含むため、最近では健康志向の方たちに注目されています。
大麦・小麦・ライ麦の違い
大麦・小麦・ライ麦はいずれもイネ科の植物です。
加工される食品はそれぞれ違いますが、主食や嗜好品などの原料としていずれも欠かせないものといえます。
ちなみに、大麦やライ麦に含まれるタンパク質は、小麦アレルギーの原因となるグルテンとは異なるものです。
そのため、小麦アレルギーがあるからといって大麦やライ麦を避ける必要は必ずしもありません。
しかし、大麦やライ麦には、小麦に含まれるタンパク質とよく似た構造を持つものも含まれています。
また、アレルギーの程度には大きな個人差があります。
したがって、初めて口にする食品については一度に大量に食べず、様子を見ながら食べるようにしましょう。
なお、
- 小麦粉(薄力粉)のカロリーは100gで367kcal
- ライ麦粉のカロリーは100gで351kcal
です。
大麦は粉にすることがほとんどないので単純比較はできませんが、押し麦(大麦の外皮をむいてから蒸し、ローラーで押し潰して乾燥させたもの)は100gで340kcalです。
そのため、ほとんどカロリーに差は無いと言えますね。
まとめ
- 大麦は、ビールや麦茶などの原料として使われるイネ科の植物。
- 小麦は、麺類やパン、お菓子などの原料として使われるイネ科の植物。小麦アレルギーの原因となるタンパク質を含んでいる。
- ライ麦は、ビールやパンなどの原料として使われるイネ科の植物。別名黒麦。
小麦はアレルギー表示対象品目ですが、大麦やライ麦は対象品目になっていません。
必ずしもアレルギーが出るものではありませんが、食品購入時には原材料まで注意してください。