日本の伝統的なスポーツといえば、相撲を思い浮かべる人も多いでしょう。
ところで、相撲を取る人のことを、皆さんは何と呼びますか?
「相撲取り」「お相撲さん」「力士」「関取」など、さまざまな呼び方がありますが、実は「関取」と呼ばれるのは一部の人たちだけなのです。
そこでこの記事では、意外とルールが厳しい「力士」と「関取」の違いについて調べてみました。
力士とは?
「力士」とは、「相撲を取ることを職業としている人」のことです。
「相撲取り」「お相撲さん」とも呼ばれますが、正式名称は「力士」です。
力士は「相撲を取ることを職業」としていなければならないため、学生相撲やアマチュア相撲の選手は含まれません。
より詳しくいうと、日本相撲協会に所属している選手、相撲部屋に所属していて四股名を持つ人すべてを「力士」と呼びます。
関取とは?
「関取」とは、「十両以上の力士」のことです。
大相撲には6つの序列があり、上から「幕内」・「十両」・「幕下」・「三段目」・「序二段」・「序ノ口」となっています。
そして幕内には、「横綱」・「大関」・「関脇」・「小結」・「前頭」という5つの階級があります。
関取は十両以上の力士なので、「横綱」・「大関」・「関脇」・「小結」・「前頭」・「十両」までです。
四股名につける「〇〇関」という呼び方は「関取」の略称なので、幕下以下の力士を呼ぶ際には「〇〇関」ではなく「〇〇さん」と呼ぶのが正しいということになります。
力士と関取の違い
「力士」は、相撲を職業とする人全般を指す言葉で、「関取」は十両以上の力士をいいます。
ちなみに、大相撲の世界で一人前と認められるためには十両以上、つまり関取にならなければなりません。
関取になると、日本相撲協会から給料が支給され、専用の個室が用意されたり部屋を出て一人で暮らしたりすることも許されます。
また、結婚が許されるのも関取になってからです。
その他、関取になると大銀杏が結えるようになり、正装として紋付き袴の着用も認められます。
一方、幕下以下の力士は、部屋で用意される食事や先輩力士から与えられる小遣いで生活をまかない、他の力士たちと一緒に共同生活をします。
そして、まげは大銀杏ではないちょんまげを結い、袴の着用も認められていません。
このように、同じ力士であっても関取と幕下以下では大きな差異が設けられています。
実力主義の世界であるが故の厳しさといえますね。
まとめ
- 力士は、相撲を職業とする人。学生相撲やアマチュア相撲の選手は含まれない。
- 関取は、十両以上の力士。日本相撲協会から給料が支給されている。
関取の大きな体には、部屋の幕下以下の力士の生活もかかっています。
そのような背景を知ったうえで大相撲をみると、応援にも思わず力が入ってしまいますね。