クラシック音楽の題名では、「交響曲」「協奏曲」といった言葉をよく見かけます。
違いがよくわからず、あまり意識していない人も多いと思いますが、両者の違いがわかるとコンサートの楽しみ方が変わってきます。
この記事では、意外とわかりやすい交響曲と協奏曲の違いに迫ります。
交響曲とは?
「交響曲」は、オーケストラにより演奏される多楽章編成の楽曲のことです。
ちなみに、オーケストラを構成するのは以下のような楽器です。
- 管楽器(トランペットなどの金管楽器+クラリネットなどの木管楽器)
- 弦楽器(バイオリンなど“弦”で演奏する楽器・ピアノも弦楽器の一種)
- 打楽器(打つ・こする・振るなどして演奏する楽器)
交響曲は、基本的に4つの楽章(独立した曲)で構成され、そのうちの一つが“ソナタ形式(「提示部」「展開部」「再現部」のパターンに則って作られている楽曲)”になっています。
演奏時間は比較的長く、30分程度のものから1時間を超えるものまでさまざまです。
例えば、ベートーヴェンの「運命」は約35分、「第九」は約70分かかるとされています。
協奏曲とは?
「協奏曲」は、オーケストラとソロの演奏者が一緒に演奏する楽曲です。
ソロで演奏される楽器としては、ピアノやバイオリンが有名ですが、フルートやホルン、チェロなどをソロで演奏する協奏曲もあります。
協奏曲は、「ピアノ協奏曲」「バイオリン協奏曲」などソロ楽器をタイトルに入れて名づけられている場合が多いです。
そして、基本的に3つの楽章で構成され、少なくとも1つはソナタ形式になっています。
演奏時間は交響曲より短めで、30分もあれば聞き終えることができます。
しかし、ソロ演奏者が無伴奏かつ即興で音楽をかなでる部分があるため、聴きごたえは十分にあります。
交響曲と協奏曲の違い
交響曲と協奏曲の違いとしては、曲の構成や演奏時間の長さがあげられます。
しかし、クラシック初心者にはわかりづらいのが実情です。
タイトル以外でわかりやすい違いを求めるならば、ソロ演奏者の有無がポイントになります。
たしかに交響曲でもソロ演奏の部分はありますが、かなでるのはオーケストラのメンバーの一人で、独立したソロ演奏者ではありません。
プログラムに「〇〇協奏曲」とあったら、ソロ演奏者に注目して演奏を楽しみましょう。
まとめ
- 交響曲は、オーケストラによってかなでられる4楽章構成の楽曲。演奏時間が長め。
- 協奏曲は、オーケストラ+ソロ演奏者によってかなでられる3楽章構成の楽曲。演奏時間は短め。
協奏曲の即興部分は、演奏者それぞれで違うそうです。
また、同じ交響曲でも、指揮者が違うと曲のイメージが大きく異なる場合があります。
そんな違いに着目して聞き比べをするのも、楽しいかもしれませんね。