見た目が似ているインコとオウム。
何が違うのかというとうまく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
この記事ではインコとオウムの違いと見分け方について詳しくまとめたので、参考にしていただければ幸いです。
目次
インコとオウムの違いって何?
まずは両者をちょっと難しく説明してみます。
インコとはオウム目インコ科に属する鳥
インコはオウム目インコ科に属する鳥です。
種類は約330種類にも及ぶといわれ、生息域もオウムよりも広大な地域に及びます。
アメリカ・アフリカ・アジア・オーストラリアなど各地に野生のインコがいる、と聞けば「ほぼ世界征服してるな」と言える種類なのではないでしょうか。
オウムとはオウム目オウム科に属する鳥
オウムはオウム目オウム科に属する鳥です。
種類は21種類でインコに比べるとぐんと少なくなります。
生息域はオーストラリアからインドネシア・フィリピン・ニューギニアやソロモン諸島になります。
この点でもインコと比べるとぐんと狭くなりますね。
最近の研究は遺伝子レベルまで調べることが可能になっていますが、そこまで調べてみると実際によく似ていても両者は祖先の違う全く別の「鳥類」ということになっています。
見た目の違い・見分け方
でも実はもっと簡単に「見た目」でインコとオウムの違いを確認する方法があるのです。
それが「冠羽」と呼ばれる羽毛の有無になります。
「冠羽」とは頭の上にある羽のことで興奮したり威嚇しているときなどにピンと立てます。
オカメインコや白色系オウムなどの写真を見ると、頭の上にピンと伸びた長い羽を確認することができます。
それが「冠羽」です。
- 冠羽のある鳥が「オウム」
- 冠羽の無い鳥が「インコ」
です。
オカメインコは「インコ」という名称がついていても実は「オウム」なのだということは最近よく知られる面白情報でもあります。
この見分け方を使うと同じように「インコ」の名称がつく「モモイロインコ」も「オウム」なのだということがわかるでしょう。
海賊の絵を見るとよく肩の上に乗っている「コンゴウインコ」は「インコ」なのです。
この他、
- 何色もの鮮やかな色や模様を持つのがインコ
- 白・灰色など少ない色味で羽色が構成されているのがオウム
とする方法もあります。
ちなみに英語ではセキセイインコやオカメインコなど人気の鳥はきちんと英名で呼ばれることがほとんどです。
それ以外の鳥で細かい種類を言う場合以外はインコでもオウムでもどちらもParrot(パロット)と表現されることが多いです。
インコとオウムどっちがしゃべるのが得意?
実はオウムよりもインコのほうが「おしゃべりが上手」とされています。
一般的におしゃべりをすることが多いのは「オス」ですが、メスの中にも上手におしゃべりする子もいます。
またインコだから・オウムだからといってすべての鳥が「おしゃべり」するわけではありません。
特に教えなくても飼い主や家族が発する言葉を聴いていて急におしゃべりしだす子もいれば、一生懸命教えても一言もしゃべらない子もいます。
人間の言葉よりは電話の音や車のエンジン、呼び鈴や口笛など「音」に敏感に反応して上手に真似る子もいます。
おしゃべりする声もヨウムのように声色までそっくりにコピーする種類もあれば、セキセイインコのように「しゃがれ声」でクチュクチュと話す種類など様々です。
手乗りびなで人間に育てられた鳥なら「仲間」である人間の言葉をお手本としてコミュニケーションを学ぶからでしょう。
インコとオウムの代表的な種類
それではここからはインコとオウムにはどんな種類がいるのか、代表的なものを見ていきましょう。
インコ
セキセイインコ
羽色も豊富で丈夫で飼いやすいとされ、初めて鳥と暮らす人にも人気です。
性格も陽気で人懐っこいです。
ボタンインコ
英名「ラブバード」と言われるくらいパートナーとなった相手に対して深い愛情を示してくれます。
その反面、とてもやきもち焼きなので、長い間構ってあげないと問題行動を起こしやすくなります。
ヨウム
頭がよく、おしゃべりも上手で言葉の意味を理解して飼い主とのコミュニケーションをとることもできるとされています。
繊細で気難しいところもあり少しの環境の変化でも体調を崩してしまうことがあります。
大型のため、咬まれると怪我をすることになるので注意が必要です。
オウム
オカメインコ
オウムの仲間の中で最小の種類です。
愛嬌のある表情・おとなしい性質と控えめながらもいろんな羽色があるので人気です。
繊細なところがあり、少しの物音でもびっくりしてパニックになったりするので注意しましょう。
タイハクオウム
純白の身体・高い知能と人懐っこさが魅力です。
「翼の生えた犬」とも表現されるくらい人とのコミュニケーションを好みます。
大型のため、咬まれると大怪我の可能性があること・脂粉の量が多いこと・雄たけびの声が非常に大きいため、飼うにはしっかりとした対策が必要です。
白色バタン
キバタン・コバタン・オオバタンなどのオウムたちです。
人にもよく懐き、遊び好きで楽しい鳥です。
咬む力も強く、雄たけびの声はとても大きいため、防音対策をしっかりとして飼育する必要があります。
インコとオウムの寿命を比較、飼うならどっちがおすすめ?
上記であげた鳥達を例に、寿命の比較をしてみましょう。
- セキセイインコ・・・約5~10年
- ボタンインコ・・・約10~15年
- ヨウム・・・約30~60年
- オカメインコ・・・約10~15年
- タイハクオウム・・・約40~60年
- 白色オウム・・・約40~60年
身体の大きい鳥はやはり人間並みの寿命があることがわかります。
身体の小さいインコでも上手にお世話すれば10年を越えて元気に暮らしている例は珍しいものではありません。
インコ・オウムどちらについてもお迎えを検討するときには「自分が一生お世話してあげられるのか」を十分に考えてください。
寿命の長い種類の場合、飼い主の年齢も若いうちが理想です。
一方で結婚や就職などで生活環境が変わっても愛鳥を連れていけるのか・お世話にかかる費用を安定して工面できるのかなどの問題があります。
飼い主が30代以降の場合、自分の年齢を越えて愛鳥が生きた場合に次の世代の子供たちに引き継ぐことができるのかは重要なポイントになります。
その他にも全く鳥と暮らしたことのない人がいきなり大型のインコやオウムと暮らすのはちょっと無理があります。
世話の大変さに加えて鳥が発する「サイン」を見切れなくて咬まれたり追いかけ回してパニックを起こさせたりといったトラブルも考えられるからです。
鳥と暮らした経験の全くない人がインコかオウムと暮らしたいと思ったら、
- 人気のある鳥なので、飼育書も豊富でお世話に必要な情報が入手しやすい
- 手乗りにもなりおしゃべりすることも多いので「インコの楽しみ」が味わえる
- 感情も豊かなので面白い
- 咬まれると痛いけれど大怪我する可能性は低い
という理由からセキセイインコをお勧めします。
経験者は自分の住宅状況や同居家族との相談の結果で決めましょう。
初心者・経験者ともお迎えしたいと思う鳥がいたら扱っているお店や動物園などに出向いて実際の鳥の大きさ・声の大きさは必ず体験してください。
イメージと現実には大きな差があるものだからです。
もちろん「お目当ての子」がいたらお見合いは必須です。
「人間をパートナーとする」ことの多いインコ・オウムにとって飼い主となる人間との相性はとても大事なのです。
人間側のほうも鳥と早くなじみやすいという利点があります。
婚活と同じように実際に会ってみないとわからないことがたくさんあります。
あなたは一目惚れでも鳥のほうはイマイチかもしれません。
飼う場合はインコとオウムの特徴を理解して、個性は受け入れよう
- インコとオウムの違いを見分けるのは冠羽の有無。冠羽があるのがオウムで無いのがインコ。
- おしゃべりが上手とされているのはインコが多い。
- お迎えを検討するときには「一生お世話できるのか」をしっかりと考えること。
- 鳥初心者には情報量の多いセキセイインコがおすすめ。
インコ・オウムは感情豊かで頭のいい生き物です。
おしゃべりする子、しない子それぞれの個性なので大らかに受け入れてあげてください。
寿命も長いので長い付き合いになりますから衝動買いの対象には絶対してはいけません。
「飽きっぽい」を自覚している人にはお勧めできない生き物でもあります。
飼い主側がインコの真似をすると大喜びで「インコ語」で話しかけてくれます。
「物まねする?」と聞かれたら「(私が)できるよ!」と堂々とお返事してくださいね。