雑学・豆知識

国立公園・国定公園・国営公園の違いは?

国立公園 国定公園 違い

国立公園や国定公園、国営公園など、「国」がつく公園はいくつか種類があります。

これらの公園は、関係する法律や管理団体が微妙に異なるのですが、その違いを正確に説明できるという人は少ないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、普段あまり気にすることがない「国」が管理する国立公園・国定公園・国営公園の違いについて調べてみました。

国立公園とは?

「国立公園」とは「自然公園法により環境大臣が指定し、国(環境省)が管理する自然公園」です。

環境省のサイトによると、指定の要件は

同一の風景型式中、我が国の景観を代表すると共に、世界的にも誇りうる傑出した自然の風景であること

引用:環境省

とあります。

簡単にいうと、「世界に誇れる日本の自然風景」という感じですね。

実際、国立公園の中には屋久島や知床など世界遺産地域を含むものもあります。

ちなみに、2020年7月現在、国立公園に指定されているのは34カ所です。

国定公園とは?

「国定公園」とは、「自然公園法により環境大臣が指定し、都道府県が管理する自然公園」です。

こちらは、「国立公園の景観に準ずる傑出した自然の大風景であること」が指定要件とされています。

国で管理するほどではないけれど、素晴らしいから都道府県レベルで管理しましょう、ということでしょうか。

なお、国定公園は2020年7月現在57カ所となっています。

国営公園とは?

「国営公園」とは、「都市公園法の基準を満たす公園や緑地で、国土交通大臣が設置し、国(国土交通省)が管理する都市公園」です。

国営公園は、国立公園や国定公園が自然公園であるのとは対照的に、都市公園なのですね。

また、国立公園・国定公園が自然を守ることが目的であることに対し、国営公園は災害時の活動拠点として設置されていたり、遺跡などの文化資産を保護するために設置されていたりします。

そして、国営公園は意外と少なく、全国に17カ所しかありません。

国立公園・国定公園・国営公園の違い

国立公園 国定公園 国営公園
関係する法律 自然公園法 都市公園法
指定者・設定者 環境大臣 国土交通大臣
管理者 国(環境省) 都道府県 国(国土交通省)
目的 自然を保護して利用の促進を図る 災害時の活動拠点の確保・文化資産の保護
公園の数 34ヵ所 57ヵ所 17ヵ所

確かに、国立公園や国定公園は「公園」とはいうものの、景観を害するような遊具などを見かけることはありません。
これはその目的のためだったのですね。

まとめ

まとめ
  • 国立公園は、環境大臣が指定して国が管理する公園。世界に誇れる日本の風景を維持することが目的。
  • 国定公園は、環境大臣が指定して都道府県が管理する公園。美しい日本の風景を維持することが目的。
  • 国営公園は、国土交通大臣が設置して国が管理する公園。災害時の活動拠点として設置されているものもある。

国立公園や国定公園の景色の美しさは、国のお墨付きといってもよいでしょう。

旅行の行き先に迷ったら、国立公園や国定公園を候補に入れるのもいいかもしれませんね。