世界で最も高い山といえば、エベレストですよね。
しかし、エベレストには“チョモランマ”というまったく異なる名前もあるため、「どっちが最高峰?」と混乱している人もいると思います。
そこでこの記事では、ヒマラヤ・エベレスト・チョモランマの違いについてまとめました。
ヒマラヤとは?
「ヒマラヤ」とは、インドとチベット高原の境目にある長大な山脈です。
パキスタン・インド・ネパール・ブータン・チベット自治区にまたがり、全長は約2,400km。
北海道の新千歳空港から沖縄の那覇空港までの距離とほぼ同じです。
ヒマラヤは、距離だけではなく高さもけた外れで、世界の8,000m級の山はすべてヒマラヤにあります。
ちなみに、「ヒマラヤ」とは古代サンスクリット語で“雪の住居”を意味するそうです。
たしかに、一年中雪が溶けない山を多く擁するヒマラヤは、雪でできた住居にも見えますよね。
エベレストとは?
「エベレスト」は、ヒマラヤの東部、ネパールとチベット自治区の国境にある世界で最も高い山の名前です。
世界最高峰であることが判明したのは、1852年です。
日本は江戸時代後期、ペリーが黒船で来航する1年前です。
当時、現地名が調査されたのですが、ネパールもチベットも鎖国状態で十分な調査ができず、しばらくは“ピークXV(15番目の山頂)”と呼ばれていました。
しかし1865年、当時のインド測量局長官が、前任者であったジョージ・エベレストに敬意を表して「エベレスト」と命名、以後、世界的に広く知れ渡るようになりました。
チョモランマとは?
「チョモランマ」は、エベレストの中国名です。
漢字では、“珠穆朗瑪”と表記します。
「チョモランマ」はチベット語で、“大地の母神・世界の母神”を意味します。
登山番組やニュースでは、中国側からのルートで登るときは「チョモランマ」と表すことが多いようです。
ちなみに、ネパール語では「サガルマータ(世界の頂上)」、サンスクリット語では「デヴギリ(神聖な山)」などと呼ばれています。
現地名は、いずれも意味がわかると納得できますね。
ヒマラヤ・エベレスト・チョモランマの違い
ヒマラヤは、インドとチベット自治区を隔てる長大な山脈です。
エベレストは、ヒマラヤ山脈の東部にある世界で最も高い山です。
そして、チョモランマ(珠穆朗瑪)はエベレストの中国名です。
なお、エベレストの名前の由来となったジョージ・エベレストさんは、現地名を尊重したいという思いが強く、「エベレスト」という名前を付けることに反対だったそうです。
そのような方だからこそ、後任者からも尊敬され、世界最高峰の名にふさわしいと思われたのかもしれませんね。