「日本食」「日本料理」「和食」を、わざわざ区別して使っている人は少ないと思います。
では、海外にルーツを持つ日本の料理、カレーライスはこれら3つのうち何になるのでしょうか。
また、何百年も前にポルトガルから伝来したという天ぷらはどうでしょう。
すごく迷いますよね。
そこでこの記事では、身近だけれど意外と知らない日本食・日本料理・和食の違いをまとめます。
日本食とは?
「日本食」とは、「近代(明治時代)以降に日本に渡ったものも含め、一般的に日本で食べられている食や料理」です。
ここでポイントとなるのは「近代以降」という点です。
すなわち、カレーライスやオムライスなど、開国前の日本にはなかったけれど、日本人好みにアレンジされた料理はすべて「日本食」に含まれます。
もちろん、近代以前に伝わった天ぷらも日本食に含まれます。
そしてものすごく大雑把にいえば、日本で普通に食べられるものは、すべて「日本食」ということになります。
日本料理とは?
「日本料理」とは「会席料理を中心とした伝統的で特色のある料理」のことです。
ちょっと高級で、料亭や割烹などで提供されるメニューをイメージすると良いかもしれません。
ちなみに「日本料理」という言葉は、明治時代に発行された「日本料理法大全」という調理本で広まったといわれています。
もっとも、この本に掲載されていたのは日本の家庭料理だったようなので、現在の「日本料理」とはちょっとニュアンスが違います。
和食とは?
「和食」は、「日本人の伝統的な食文化」です。
これは、ユネスコの無形文化遺産として登録された内容です。海外ルーツの天ぷらも、日本風にアレンジされて定着したものとされています。
ちなみに、無形文化遺産として登録された和食の特徴は、以下の4点です。
- 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
- 健康的な食生活を支える栄養バランス
- 自然の美しさや季節の移ろいの表現
- 正月などの年中行事との密接な関わり
これを見ると、「日本料理」は「和食」に含まれるようですが、カレーライスやラーメンなどは「和食」に含まれないかもしれません。
日本食・日本料理・和食の違い
「日本食」は、日本で食べられる料理全般を指します。
日本料理・和食も「日本食」です。
一方、「日本料理」は、料亭などで提供されるちょっと高級な日本の料理です。
そして「和食」は、昔(明治より前)から日本で食べられている料理です。
日本食は必ずしも和食ではありませんが、日本料理は和食に含まれます。
式にすると、「日本食>>和食>日本料理」という感じになりますね。
まとめ
- 日本食は、日本で食べられる一般的な料理全般を指す。
- 日本料理は、料亭や割烹などで提供される伝統的な日本の料理。
- 和食は、日本人の伝統的な食文化。
カレーライスやオムライス、ラーメンなどは、今のところ「日本食」であって「和食」ではありませんが、数百年ほど経てば「和食」に分類されているかもしれませんね。