皆さんは言葉や物事・文字などを調べるとき、何を使って調べますか?
事典、それとも辞典でしょうか?
最近はインターネットを使って調べ物をする方も多いと思いますが、だれもが知っているようで意外と知らない「事典」「辞典」「字典」「辞書」の違いを調べてみました。
事典とは?
事典は「物事や事柄について詳しく解説したもの」です。
もう少し具体的に言うと、固有名詞や歴史上の事件・地理・生物などある分野の特定の「事」を詳しく記述しているものです。
百科事典・生活事典・動物事典などが事典の例ですね。
辞典とは?
辞典は「言葉や文字の発音・表記・意味などを解説したもの」です。
「辞」という文字には「言葉」という意味があることを知ると、辞典が言葉の解説書であることがよくわかります。
国語辞典・英和辞典・ことわざ辞典など、言葉を解説するものはたいてい辞典です。
字典とは?
字典は「字」という文字が入っていることからわかるように「文字の使い方・読み方・正しい形などを知るためのもの」です。
「漢和辞典」とよく似たイメージですが、字典のほうがより簡潔にまとめられているそうです。
小学校の低学年向けに作成されている漢字字典(時の書き方・読み方・ちょっとした用例などが記載されているもの)などが、代表的なものと言えるでしょう。
辞書とは?
辞書については、「辞典の古い言い方で辞典と同じ」「辞典だけではなく字典も含む」などいろいろな説があります。
そして最近では、「パソコンや翻訳システムなどにおいて、漢字・熟語・文法などが登録されているファイル」という意味でも使われます。
また、国語辞典や英和辞典、字典に分類される家庭用の医学書などが納められたハンディサイズの電子機器が「電子辞書」と呼ばれることもあります。
これらのことから、現代において「辞書」は「辞典・字典を含む書物」と言うだけではなく「ある物事について意味や用法などを順序立ててまとめたデータベース」という意味合いがあるように思われます。
事典・辞典・字典・辞書の違い
事典は、「事柄」について詳しく解説しているものです。
代表例は百科事典です。
辞典は、「言葉」について詳しく解説しているものです。
国語辞典や英和・和英辞典などがその例です。
字典は、「文字」について詳しく解説しているものです。
漢字字典は漢和辞典よりも内容が簡素だとされています。
辞書は、辞典とほぼ同じで事典の内容を含むこともありますが、データベース的な意味もあります。
ちなみに、書物のタイトルとして用いられることがあるのは「事典」「辞典」「字典」です。
「辞書」が書物のタイトルに使われることは、ほとんどありません。
まとめ
- 事典は、特定の「事柄」の解説書。
- 辞典は、「言葉」の解説書。
- 字典は、「字」の解説書。
- 辞書は辞典とほぼ同義。事典を含むこともある。物事の意味や用法をまとめたデータベースの意味で使われることもある。
「事」「辞」「字」の意味を考えれば3つの「じてん」の使い分けは簡単です。
「辞典」と「辞書」については、書物ならば「辞典」、データベース化されたものであれば「辞書」でたいてい大丈夫です。