グルメサイトで和食の店を探すと、「割烹」「料亭」「懐石」といった言葉をよく目にします。
どれも高級そうなイメージですが、「違いは?」と問われて即答できる人は少ないと思います。
そこでこの記事では、似ているようでまったく違う割烹・料亭・懐石の違いについて解説します。
割烹とは?
割烹とは、カウンター形式で本格的な日本料理を楽しめる店舗のことです。
調理場と客席が同じスペースにあり、板前や女将が客の注文に応じて料理を提供します。
お酒の提供もありますが、飲むことよりも食べることに主眼を置いた店といえます。
そもそも割烹とは、「割:包丁で切る」+「烹:火を使って煮炊きする」という調理方法を表す言葉でした。
それがいつの間にか、店そのものを指す名称として定着していったそうです。
料亭とは?
料亭とは、主に個室の座敷で日本料理を提供する高級な飲食店です。
調理場と客席が離れており、料理は仲居などが運びます。芸妓を呼ぶことも可能で、高級な食器や調度品、日本庭園などを備えている料亭もあります。
提供されるのは高級日本料理で、設定されたコースが中心になっていることが多いようです。
とはいえ、割烹とは異なり、お酒を楽しむのがメインなので、かつてはお酒以外の料理は仕出しでまかなっていた店舗が多かったようです。
懐石とは?
懐石とは、本来茶会の前に軽く食べる食事のことです。
一汁三菜が基本で、ご飯と汁物は食事の最初に提供されます。
ちなみに、会席料理は、お酒を飲むための料理として発展したおもてなし料理です。
会席料理の場合、ご飯や汁物は最後に提供されます。
割烹・料亭・懐石の違い
割烹は、調理場と客席が同じスペースにあり、カウンター形式で本格的な日本料理が楽しめる店舗です。
食べることがメインで、客のオーダーに応じて板前や女将が料理を提供してくれます。
料亭は、主に個室の座敷で高級日本料理が楽しめる店舗です。
料理はコースで提供されることが多く、仲居が調理場から座敷まで運びます。
お酒を楽しむことがメインで、芸妓遊びをすることも可能です。
懐石は日本料理の一種で、もともとは茶会前に食べる軽い食事のことです。
一汁三菜が基本で、ご飯と汁物は最初に提供されます。
なお、割烹は、懐石料理や精進料理などに対する呼称として使われることもあるようです。
まとめ
- 割烹は、カウンター形式で本格的な日本料理が楽しめる店。懐石料理や精進料理などに対する呼称としても使われる。
- 料亭は、個室の座敷で高級日本料理が楽しめる店。
- 懐石は、茶の湯から生まれた日本料理の一種。一汁三菜が基本。
最近は、割烹と料亭の区別があいまいになっているので、利用前にはしっかり下調べしたほうがいいかもしれませんね。