やかんやなべでお湯を沸かしたときに出てくる白いモヤモヤしたものを、多くの方は「湯気」と呼んでいると思います。
でも、幼い子どもに「煙と湯気の違いは何?」と聞かれて、わかりやすく教えることはできるでしょうか。
さらに一歩踏み込んで、水蒸気との違いを説明することはできるでしょうか。
この記事では、似て非なる煙・湯気・水蒸気の違いについてまとめました。
煙とは?
「煙」は、「物を燃焼させたときに出てくる固体と液体の微粒子の集まりが、空気中にただよっている状態」を指します。
燃やすものは何でもよく、時に有害物質を含むこともあります。
また、色やニオイもさまざまです。
ちなみに、合図や目印などとして用いられた「狼煙(のろし)」は、オオカミの糞を藁などに混ぜて焼いたことが語源とされています。
湯気とは?
「湯気」は、「熱した水から立ち上った気体が冷やされ、水滴となって白い煙のようにみえるもの」です。
つまり湯気は、水あるいは水を含むものを熱したときにしか発生しないということになりますね。
そして、湯気は水滴なので液体です。
水蒸気とは?
「水蒸気」は、「水が気体になったもの」です。
なお、湯気は水蒸気が冷やされて液体になったものです。
水蒸気も、水あるいは水を含むものを熱したときにしか発生しません。
そして気体なので、無色透明でニオイもありません。
煙・湯気・水蒸気の違い
煙は、物を燃やしたときに発生する固体と液体の微粒子の集まりです。
色やニオイもさまざまで、有害物質を含む場合もあります。
水蒸気は、水が気体になったものです。
そして湯気は、水蒸気が冷やされて細かな水滴となったものです。
水蒸気は気体なので無色透明ですが、湯気は液体で白い煙のようにみえます。
においはいずれもありません。
湯気と水蒸気の違いは、やかんなどに水を入れて熱したときによくわかります。
水が沸騰すると注ぎ口から湯気が出てきますが、注ぎ口と湯気の間にわずかに何もないようにみえる部分があります。
この部分にあるのが、水蒸気です。
まとめ
- 煙は、物を燃やしたときに発生する固体と液体の細かな粒の集まり。燃やすものによって色やニオイが変わる。
- 湯気は、気化した水が冷えて細かな水滴になったもの。白い煙のようにみえる。ニオイはない。
- 水蒸気は、水が気化したもの。無色透明の気体。
湯気と水蒸気の様子を観察するときは、顔や手をやけどしないように注意してください。