「中部地方」や「東海地方」が、日本の真ん中あたりを指す言葉だというのは何となくイメージできると思います。
しかし、具体的に何が違うの?と聞かれると地元に住んでいる人たちですら答えられないことがあるようです。
そこでこの記事では、範囲が大きく異なる中部地方と東海地方の違いをまとめてみました。
中部地方とは?
中部地方とは、基本的に「新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・愛知県・静岡県」の9県を指します。
日本海から富士山をはさみ太平洋に至る、まさに日本のど真ん中にある広い範囲が「中部地方」なんですね。
ここでわざわざ「基本的に」と書いたのには、ちゃんと理由があります。
それは「三重県」のとらえ方です。
中部地方の西側のエリアを「近畿地方」とする場合、三重県は近畿地方に含まれることになるため、原則のままで特に問題はありません。
しかし「関西地方」とする場合、三重県は関西地方に含まれないため、中部地方に属することになります。
このように中部地方は、西側のエリアを何と呼ぶかによって範囲が変わってくることになります。
なお「中部地方」という言葉は、1960年に教育単位が「北海道・奥羽・関東・中部・近畿・中国・四国・九州」の8つに分けられたことから、用いられるようになったといわれています。
東海地方とは?
東海地方は、「愛知県・岐阜県・三重県・静岡県」の4県のことです。
中部地方とは異なり、三重県は明確に東海地方に含まれます。
ちなみに東海地方とは別に、「東海3県」という言葉もあります。
これは愛知県、特に名古屋市との経済的・文化的・人的つながりが深い「岐阜県・三重県」に愛知県を加えた3県を指す言葉です。
なお、「東海地方」という言葉の歴史は8世紀にまでさかのぼることができるといわれています。
当時は、東海道沿いの地方を「東海地方」と呼んでいたそうです。
そのため、東海道の通っていない岐阜県は東海地方に含まれていませんでした。
中部地方と東海地方の違い
中部地方とは、日本のほぼ中央に位置する新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・愛知県・静岡県のことです。
地方の分け方によっては、三重県が含まれることもあります。
東海地方とは、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県のことです。
ちなみに、富山県・石川県・福井県は北陸地方、新潟県・山梨県・長野県は甲信越地方と呼ばれることもあります。
つまり「中部地方(三重県を含む場合)=東海地方+北陸地方+甲信越地方」ということになります。
まとめ
- 中部地方は、新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・愛知県・静岡県のこと。三重県が含まれることもある。
- 東海地方は、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県のこと。
陸続きである以上、「〇〇地方」という言葉でエリアを厳密に分けるのは難しいのかもしれませんね。