ハムスターがケージをよじ登り、「うんてい」や「けんすい」をする姿を見たことがありませんか?
その仕草は一見可愛らしく、一生懸命な姿にキュンとしてしまうものです。
しかし、そのうんていは実は「脱出したい」という心理から起こっており、とても危険な行為なのです。
ハムスターは知能が高く、飼い主がケージのどの部分を開けてそこから手を入れてくるかを覚えています。
賢い子になると、その留め具を自分で外して脱走することもあります。
その運動能力の高さには脱帽です!
そのケージは即卒業しました。
この記事では、ハムスターがうんていをする理由とやめさせる方法についてお話していきます。
目次
ハムスターがうんていをする3つの理由
ハムスターがうんていをする時は以下の3つの理由が考えられます。
ストレスが溜まっている
- 環境の変化
- 狭い
- うるさい
- 飼い主が構いすぎる
- 眩しい
- くさい
- 気温・湿度
など、飼育環境に不満がある時にうんていをすることがあります。
ストレスが溜まるとうんてい起因以外の病気にもなりかねません。
エサが欲しい
エサが欲しいと猛アピールしている場合もあります。
エサ箱が空っぽになっていませんか?
定時にあげるようにしていますか?
うんていでなく、ケージを齧ってアピールする時もあります。
運動不足
夜行性のハムスターは本能で1日8~10キロ位走る動物で、それが生きがいといっても過言ではありません。
狭いケージの中で自由に動き回れないと運動不足になってしまいます。
そのため金網があればケージをよじ登り、外に出たがろうとします。
ハムスターのうんていの危険性
一見するとかわいらしいハムスターのうんていですが、危険な行為なので注意が必要です。
落下する可能性がある
ハムスターは運動神経が良いので、よじ登れるものがあれば上へ移動をします。
しかし、うんていをしているうちに力が尽きたり、登ってはみたものの降りれられなくなり落下してしまいます。
ハムスターは落下に耐えられる体の作りではありません。
床材をふかふかにしているから大丈夫!といってもハムスターの身を守る保障はありません。
僅か10センチの高さから落ちても骨折や脱臼に繋がってしまうのです。
打ち所が悪ければ頭部の強打で脳に血腫や水が溜まり頭部圧迫、胸部を圧迫すれば肺が破裂するなど、死亡する可能性があります。
脱走したいという強い思いから、歯だけで噛みつきぶらさがるなんていうケースもあり、歯が折れると飲食ができず栄養失調や体調不良を起こします。
金網に足が挟まる
よじ登っている・降りてる途中、金網に足が挟まってしまうことがあります。
飼い主も常に観察できるわけではありません。
たまたま事故が起きた時に同じ部屋にいて鳴き声で気づくこともありますが、外出中などで変な体勢のまま数時間過ごさなければいけないこともあるでしょう。
その場合、傷口がうっ血したり、骨折したり、最悪足の切断も考えられます。
ハムスターのうんていをやめさせる方法
では、そんな危険なハムスターのうんていをどのようにやめさせればいいのでしょうか?
以下に対処法をまとめてみました。
広いケージにお引越しさせる
いっそのことケージを変えてしまうのも1つの方法です。
ケージに金網があるから登ってしまい、うんていをするわけなので、金網が無いものを選べば登ることはまずありません。
大半の市販のケージ(特に初心者用飼育セット)は手狭です。
ドワーフハムスター用、ゴールデンハムスター用と用意はされていますが、基本で用意されている物より多くの飼育道具(例えば砂場やトイレ)を置くと必然的に狭くなってしまいます。
キンクマハムスターになるとゴールデンハムスターより若干個体が大きく、飼育道具自体も大きくなり、動けるスペースが少なくストレスが溜まります。
よじ登れないよう金網のない水槽や衣装ケースやプラスチック製品が好ましいでしょう。
魚用の水槽をケージを代用することもできますが、水槽タイプのハムスター飼育セットも市販されています。
凸凹がないのでよじ登ることができません。
プラスチック製のハムスター用ケージはトンネルや階段など安全とは言い難い物が備え付けられているものが多いですが、安全面を考慮してシンプルな物を選ぶようにします。
空気穴が天井にしかなくハムスターはよじ登りにくいですが、繋ぎ目を齧る可能性はあります。
メリットは軽くて保温性があり、手頃な価格ですがキンクマハムスターの成体には若干小さいかもしれません。
魚用の水槽で代用する場合は除湿対策をすることが大事です。
衣装ケースを使用し、穴を開けて給水ボトルを設置した場合、穴を拡張し脱走される可能性があるので注意が必要です。
その他の場合も配置に工夫が必要になります。
上には脱走防止にバーベキュー用の金網を天井部分に設置し、重しを置きます。
いずれにも共通していますが、「条件が揃えば」脱出の可能性があります。
回し車や小屋の高さとケージの天井部に余裕があるようにしましょう。
不快な飼育環境を見直してみる
網のあるケージ=危険ではありますが、夏場は通気性が良いので長年販売されてるのだと思います(逆に冬場は寒さ対策が必要になりますが、全面網ではないタイプもあります)。
環境の変化がストレス起因になりケージを噛んだり、よじ登ってうんていをします。
それらを一つずつ見直すことでうんていを止める可能性もあります。
ハムスターがストレスを感じる原因やストレス解消法は以下の記事で詳しくまとめているので、是非参考にしてください。
エサのを与える時間帯・量を見直す
エサが欲しくてうんていをしてしまっているケースもあるので、基本的にエサ箱は空にしないようにします。
食べ残すようであれば大体ハウスに持ち帰っています。
腐敗の原因になるのでたまにハウスを覗き、残っている物は捨てます。
エサの正しい与え方はこちらの記事も参考にしてみてください。
お散歩をさせてみる
ハムスターは走ることが大切です。
回し車を始めとした適度な運動をさせることは運動不足の解消はもちろん、ストレス発散に繋がります。
運動不足は肥満に繋がり病気にもなりますし、狭いケージの中で行ったり来たりするだけの生活ではストレスが溜まるのは人間も同じです。
散歩をするなら室内で行い、スペースは飼い主の目線に入る範囲で十分です。
絨毯や畳は爪を引っかける可能性があるので、できればフローリング(木の床)やフローリングマットなどがよいでしょう。
ウンチはどこでもしてしまうので片づけも楽です。
ハムスターは齧るのが大好きな動物ですので、齧られたくないもの、感電するコード類は全て隠すかカバーで覆うようにします。
屋外での散歩は厳禁です。
ハムスターは食物連鎖では下位にいる動物ですので外での散歩は天敵だらけ。
命の危険にさらされます。
部屋でのお散歩のやり方はこちらの記事でも詳しく解説しているので、良ければご覧ください。
うんていは危険!防げる事故を見逃さないで!
- ハムスターがうんていをする理由は、ストレス・エサが欲しい・運動不足
- うんていは落下したり金網に足が挟まってしまう可能性があるので危険
- うんていをやめさせるには、ケージを広くする・飼育環境を改善する・エサの時間や量を見直す・散歩をさせる
うんていは思わぬ危険な行為を生む行為です。
そしてその理由はストレスからくるものだったりします。
「可愛い」と思っていた行為がハムスターにとっては「ストレス」「不満」「逃げたい」だったと思うと可哀相ですよね。
要らぬケガやストレスの原因を取り除くのも飼い主の役割です。
気づいていて状況を改善させず、万が一死亡させてしまったとなるとなるとハムスター飼い失格です。
もし「うんてい」を見かけたら一刻も早く対策を取ってもらいたいと思います。