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【インコの発情を抑制する方法】発情の時期や見られる行動は?

インコ 発情

動物には、周期的な生理サイクルがあります。

中でも「発情期」はインコにとって心と体に様々な影響を与えます。

そこでこの記事では、インコ発情期にはどんな特徴があるのか、どう対処すべきなのかをまとめました。

是非、参考にしていただけたら嬉しいです。

インコが発情する時期

一般に野生の鳥は、年に1度、早春から夏にかけての時期に、発情期であることが多いようです。

しかし、室内で飼育しているインコは、年に数回発情期を迎えるようです。

そもそも、発情期とはどんな時期でしょうか?

動物にとって子孫を残すことはとても大切です。

繁殖周期は大きく分けて4種類に分類できます。

  1. 発情期…求愛・巣作り・交尾をする期間
  2. 抱卵期…卵を温める期間
  3. 育すう期…ヒナを育てる期間
  4. 非発情期…生殖器の活動が止まる期間

このうち、一番問題が多いのが、今回取り上げている「発情期」です。

繁殖欲求が高まった時に、発情期に入ります。

では、繁殖欲求はいつ高まるのでしょうか?

繁殖欲求が高まる条件は次の3つの条件が満たされることです。

  1. ごはんが食べたい!眠りたい!といった、「生理的欲求」
  2. 敵がいない安全な環境で暮らしたい!という「安全欲求」
  3. 他の個体より強くありたい!という「優越欲求」

この3つの条件は、飼育下では常にクリアしています。

つまり、発情しやすい環境であるといえると思います。

インコが発情した時に取る行動

通常は、オスがメスに対して先に発情して求愛行動をとり、メスがそれに応えて発情します。

しかし、ペットのインコの場合、相手がいなくても、同性のインコや飼い主、おもちゃや鏡に映る自分の姿に発情することがあります。

オスとメスの行動が違うので、それぞれご説明します。

オスの場合
  • 吐き戻しのプレゼントをする。
  • 自分を強く見せるために、両肩をいからせて歩きまわる「ディスプレイ行動」をとる。
  • 姿勢を低く翼を半開きにするポーズをとる。(オカメインコ)
  • 止まり木などにお尻をこすりつける。(コザクラインコ)
  • ろう膜の色がより青くなる。(セキセイインコ)
  • 「ピュロロピュロロ」と求愛のさえずりをする。(セキセイインコ)
メスの場合
  • 尾羽をあげる。
  • 無精卵を産む。
  • 普段温厚な性格でも、攻撃的になる。
  • 巣材を確保するために、紙を細くちぎり、自分の羽にさす。(コザクラインコ)
  • ろう膜の色が茶色くなる。(セキセイインコ)
  • 「キョキョキョキョ…」と鳴く。(オカメインコ)

もちろん個体差はありますが、オスの吐き戻しとメスの尾羽をあげる行動は、ほとんどのインコに見られる行動だと思います。

インコの発情を抑制する方法

発情は自然なことなので、巣引きを考えていて、ヒナを増やしたいなら、春か秋に発情期が来るように環境を整えてあげることができます。

しかし、発情にはデメリットもあります。

発情過多は病気の原因になり、最悪の場合、死に至ることもあります。

発情のデメリット

オスの場合
  • 吐き戻しのし過ぎにより、口内炎やカンジダ症になったり、栄養失調になったりする可能性がある。
  • 発情中は、精巣内で細胞分裂を繰り返して精子を作り続けることになるため、精巣腫瘍になる可能性もある(特にセキセイインコに多い)。
メスの場合
  • 発情によるストレスから毛引き症になることもある。
  • 慢性産卵により、代謝障害を引き起こし様々な病気になる可能性がある。

こうしたデメリットを考えると、発情過多にならないように、なるべく抑制してあげることがインコの健康を守ることになると分かります。

発情を完全に止めることは不可能ですが、飼い主の努力次第で、頻度を減らすことができます。

先にあげたように、インコは、生理的欲求・安全欲求・優越欲求の3つが満たされて初めて繁殖欲求が高まります。

つまり、これらの3欲求を適度に欲求不満にさせる環境を作ることが、発情抑制となります。

オカメ
オカメ
続く部分で、方法を細かくお伝えします。

食事制限をする

お腹いっぱい食べても餌が残っているということは、ヒナを産んでも餌があると認識し、発情の大きな要因になってしまいます。

適正体重よりも重い場合は、食事制限をしましょう。

「適正体重+10%程度」が一日の食事量の目安です。

しかし、適正体重は個体差があるので、獣医師と相談して行うことが必要です。

オカメ
オカメ
特に体の小さいインコにとって、体重1グラムが減ることは大きな負担になるので、正しく行うことが大切です。

必ず専門家に相談してくださいね。

光周期を短くする

1日に8時間以上明るいと、発情しやすくなります。

これは、光周期が長い=暖かい季節になったから食料が豊富にある=「ヒナを育てられる!」と認識してしまうためです。

人が起きている明るい部屋で、ケージに布をかぶせただけでは寝かせていることになりません。

静かなところで完全に遮光することが必要です。

また、温度管理も重要です。

野生のインコは通常春から夏にかけて繁殖するので、秋や冬に暖房をきかせ過ぎていると、季節が分からなくなり発情してしまいます。

発情を誘起させるものを撤去する

発情の相手が飼い主の場合、過度なスキンシップは控えた方がよいと思います。

特に人の爪はくちばしと同じ成分でできているので、くちばしの前に持っていくと、興奮しだすインコもいます。

オカメ
オカメ
メスは、オスが交尾で背中に乗るので、背中をなでることも発情の原因になります。

おもちゃや鏡などが発情の相手の場合は、見えないところに片付けましょう。

また、巣箱や巣材をイメージさせるものも、片付ける必要があります。

特に、メスは巣を作り出すと産卵のできる体へ変化していくので、早めに対策をとる必要があります。

オカメ
オカメ
放鳥時に、服の隙間に入り込んだり、髪の毛をついばんだりする行為も、巣箱や巣材をイメージしているので、注意しましょう。

フォージングで頭を使わせる

「フォージング」とは、採食行動の事です。

野生の鳥は、毎日のごはんを自分で探します。

しかし、飼い鳥は自分で探す必要がないため、「繁殖欲求」が高まってしまいます。

そこで、餌を単純にエサ入れに入れるのではなく、与え方を工夫することで、フォージングに夢中にさせ、結果として、発情を抑制することができます。

飼い主の意識次第で発情過多は避けられる

まとめ
  • インコの発情の条件は「生理的欲求・安全欲求・優越欲求」が満たされていること。
  • 発情にはデメリットがある。正しく抑制しよう。

発情は自然なことですが、飼育下ではどうしても発情過多になってしまうので、抑制することがインコのためになります。

飼い主の意識次第で発情しにくい環境づくりができます。

是非、今回のポイントを抑えて、インコの健康を守ってあげてくださいね。