頭が良くて感情が豊かなインコと暮らすと、彼らが実に様々な仕草や行動をすることに気が付くことがあります。
眺めていて飽きないし可愛いものですが、「え?何?どうしたの?」と思ったことはないでしょうか。
この記事では様々なインコの仕草や行動を集めて、彼らの気持ちを知る手がかりになる情報をまとめました。
インコの「甘え」の仕草・行動
代表的な「甘えている」サインです。
一番わかりやすく簡単で、楽しいインコとのコミュニケーションのチャンスでもあります。
近寄ってきて頭をさげる
典型的な「甘え」のサインです。
頭や頬を撫でたりカキカキして欲しいのおねだりポーズなので、満足するまで撫でてあげてください。
撫でている間、インコが自分で頭をクルクル回して「掻いて欲しいところ」を選んだりすることもあります。
この場合は本気咬みではなく甘噛みですが、突然やられると人間側はびっくりしますから少しだけ用心してください。
慣れてくると指先で「おいでおいで」するとイソイソと寄ってきて頭をさげてくるようになります。
ちなみに人間側がインコに対して同じように頭をさげてみせてもカキカキしたりはしてくれません。
その代わりによく慣れたインコの中には肩の上に乗っているときに「飼い主の毛(羽)づくろい」をしてくれる子もいます。
翼を少しだけ身体から離して震わせるようにする
「遊んで、構ってよ」「何かおいしいものちょうだい」というおねだりポーズです。
ちょっとだけおやつをあげるのもいいし、おしゃべりしたりして構ってあげてください。
飼い主の口元を軽くつつく
飼い主が何か食べている、とインコが考えている場合は「それ、ちょうだい」のサインです。
何も食べていないのにつつくときは「何かお話してよ」のサインです。
止まり木の上を右往左往して走り回る
「ケージから出て遊びたい」「ものすごく構って欲しい」というときに見られます。
「忙しくて放鳥できないから」と大好きなおやつをあげてもポイと投げ捨てられることが多くある状態です。
背中をケージの壁につけるようにして張り付いている
とても積極的な「遊んで」「何かちょうだい」「こっちに来てよ」のアピールです。
- 張り付いたままケージの金網を齧ってカーンカーンと鳴らす子
- 張り付いたまま顔は飼い主に向けてアピールする子
- 張り付いたまま鳴いたりおしゃべりしたりする子
- 黙って静かに張り付いて飼い主が気が付いてくれるのを待っている子
とそれぞれのインコのやり方がありますが、ものすごくアピールしています。
ぜひ反応してあげてください。
頭を上下に振って食べたものを吐き戻しする
求愛のプレゼントをくれています。
特に受け取ってあげなくてもインコ自身は気にしません。
「いらないの?じゃ、食べちゃうね」と自分でまた飲み込んだりする子もいます。
求愛のための吐き戻しですが、頻繁にさせるとインコの健康にも影響が出ます。
飼い主と遊んでいるときに吐き戻しの様子が見られたら、すぐにインコのそばから離れて落ち着いてもらいましょう。
おもちゃや鏡に映る自分の姿に向けて吐き戻ししているようなら、対象となっているおもちゃを撤去する・鏡をインコが見えないところに隠すなどしてください。
また、「吐き戻し」とまぎらわしいものとして「病気による嘔吐」があります。
違いは、
- 吐き戻し・・・相手へのプレゼントなので頭を上下に振って少しずつ吐く
- 嘔吐・・・頭を左右に振るようにして周囲にまき散らす
- 吐き戻し・・・食欲が落ちたり・羽を膨らませてうずくまったりという病気のサインがない
- 嘔吐・・・食欲がなく、羽を膨らませてうずくまったりするなど「体調の悪い」サインがみられる
です。
よく注意してみましょう。
注意したいインコの仕草や行動いろいろ
インコの健康に関るものから仲良くなるチャンスにつながるものです。
次からは注意したいインコの仕草や行動をまとめていきますね。
オスが丸めたティッシュや手の上でお尻をこすりつけるような動作をする
発情して交尾の真似事をしています。
吐き戻しの行為も見られるでしょうから「発情の対象」を見極めましょう。
過発情は病気の元になります。
メスが暗くて狭いところに潜りたがる
普段でも隠れたがったりすることがありますが、メスが頻繁にこの行為をするようになると卵を生んだりすることが起こります。
あまり背中を触ったりしないように気を付けてください。
背中を触ることが刺激になって(交尾としたと勘違いして)産卵につながる場合があるからです。
メスの場合も頻繁に産卵することは健康によくありません。
また、若いメスの場合は卵詰まりなどのトラブルで病院に行かないといけない、ということが起こる可能性があるので注意しましょう。
紙を巣に持ち込んでかじる
コザクラインコによく見られます。
器用にリボン状に細工するので見ていてとても面白いですが、実は巣作りの準備です。
繁殖させる気持ちがなければ巣材となりそうなものをインコが見つけないように隠すなどしてください。
見つめる
インコは一緒に暮らす人間(仲間)の様子をとてもよく観察しています。
特に大好きな飼い主さんはインコにとって絶好の観察の対象になるのです。
インコに見つめられていることに気が付いたらゆっくりと「まばたき」してみましょう。
これは飼い主側からインコに対して「信頼してるよ」のサインになります。
インコも同じようにまばたきしてくれたら「こちらも信頼してますよ」のサインです。
絶好のコミュニケーションのチャンスです。
ゆっくりまばたき・少し早めにまばたきとスピードを変えてやってみると、インコからの返しも同じようなスピードなことに気づくでしょう。
「相手と同じ」はインコにとって仲間とのコミュニケーションとしての基本です。
相手に対して「目を閉じる」行為は捕食される側のインコは「敵・怖いもの」とみなした相手には絶対にしない行為でもあります。
ですからインコがこの行為を返してくれる、ということは「信頼の証」と言えるのです。
くちばしをギョリギョリと鳴らす
寝る前の準備・リラックスしているサインです。
インコは「お休みモード」ですからそっとしておいてあげてください。
首をかしげる
何かをしっかりと見たい時に利き目で見るために首をかしげる仕草が見られます。
インコの目は人間のように「二つ並んでいる」位置にはありません。
頭の右側・左側についていますから、目にも「利き目」があるとされています。
自分が手や肩に乗っている人間に対して背中をむける
「この人は絶対に自分を襲ったりしない」という信頼の証拠です。
インコは野生では「捕食される側」なので背後や頭上からの接近をとても嫌がります。
それなのにその「背中」を向けるということは「こっちからは絶対に攻撃されない」という信頼があるためなのです。
背中や頭上から触れられることはインコにとってとても怖いことです。
からかったりして尾羽をつかんだりして驚かすと簡単に「信頼」が崩れますから絶対にやめましょう。
インコに移動してほしい、などこちらからの都合があるときにはひと声かけてインコの注意をこちらに向けてから行います。
飼い主と目があったりすると「伸び」をする
目が合った時だけでなく、飼い主がインコのいる部屋に入ってきたときや「昼寝してるのかな」とケージを覗いたのがインコに見つかった時、などいろんなタイミングがあります。
「伸び」は「さあ、これからいっぱい遊ぶよ」というサインです。
インコの仕草・行動の意味を理解してコミュニケーションを取ろう
- インコが甘える時に見せる仕草や行動はわかりやすいものが多い
- インコの仕草や行動の中には度が過ぎると健康を害するものもある
- インコから「信頼」を表す仕草や行動が見られたらこちらからも同じようにやってみるといいコミュニケーションのきっかけになる
ここにご紹介した仕草や行動は代表的なものですが、必ずしも「すべてのインコがするもの」ではありません。
インコは一緒に暮らす人間の様子や反応をよく観察しています。
「おうちの人はこうしたらこんな風に応えてくれる」ということを常に情報収集している、といってもいいくらいです。
それぞれのインコ独自の「人とコミュニケーションするための手段」を持っています。
愛鳥の様子をよく観察することで「うちの子ならでは」の仕草や行動が見つかるでしょう。
ぜひ飼い主側も情報収集に励んで愛鳥との円滑なコミュニケーションに役立ててください。