学生時代はアルバイト、社会に出てからは、すき間時間を使ってパート収入を得ているという人も多いことでしょう。
ところで、アルバイトとパートの違いは何なのでしょうか。
学生のように本業があり、それとは別に働いている場合を「アルバイト」というのでしょうか。
それとも、両者には働く時間や有給制度などに違いがあるのでしょうか。
この記事では、使われるようになったきっかけを知ると「なるほど」と思ってしまうアルバイトとパートの違いについて調べてみました。
アルバイトとは?
アルバイトとは、ドイツ語の「arbeit(意味:仕事、働き)」に由来する言葉です。
日本語のアルバイトは短期間・短時間のイメージが強いですが、ドイツ語の「Arbeit」には短期間働くとか短時間で働くといった意味はありません。
日本で「アルバイト」という言葉が使われるようになったのは明治時代頃で、学生が生活費などをまかなうために働くことを「アルバイト」といっていたようです。
パートとは?
パートは、英語の「part-timer」に由来する言葉です。
こちらは、フルタイムで働く労働者に対して労働時間の短い労働者を指す言葉です。
日本では、1950年代に有名百貨店が「パートタイム」の女性従業員の募集広告を出したことがきっかけで、「パートタイマー」という言葉が広がったといわれています。
アルバイトとパートの違い
実は、「アルバイト」と「パート」は法律上いずれも「パートタイム労働者」に分類されます。
違いは何もありません。
有給の有無や税金の控除条件なども、まったく同じです。
では、なぜ日本では「アルバイト」と「パート」という言葉が共存しているのでしょうか。
これは、言葉が広がったきっかけに理由があると思われます。
おそらく、明治時代から学生の副業といえば「アルバイト」だったのでしょう。
そして女性の社会進出が珍しいことではなくなった1950年代に使われ始めた「パート」という言葉。
ひょっとしたらそれ以前にも「パート」あるいは「パートタイマー」という言葉は使われていたのかもしれませんが、大手有名デパートが女性向けの求人広告に使ったことで「パート=主婦の働き方の一つ」というイメージが人々の心に強く刻み込まれたのかもしれません。
いずれにせよ、アルバイトもパートも短時間労働を指す言葉です。
求人に応募する際は名称に惑わされることなく、労働時間や条件などをしっかり吟味するようにしましょう。
まとめ
- アルバイトは、ドイツ語の「arbeit」が語源。明治時代には学生の副業を指す言葉として使われていた。法律上は「パートタイム労働者」。
- パートは、英語の「part-timer」が語源。1950年代に女性向けの求人広告で用いられたのがきっかけで広まった。法律上は「パートタイム労働者」。
日本では、今でも「アルバイト=学生やフリーター向けの仕事」「パート=主婦をはじめとした女性向けの仕事」としてとらえられることが多いですが、言葉は時代とともに変化します。
最近は働き方の多様化が進んでいるため、数年後には別の意味に変わっているかもしれませんね。