お寿司屋さんで食べられるピンク色のサーモン、年齢を問わず大人気ですよね。
ところで、「鮭(サケ)」「鱒(マス)」「サーモン」は、生物学的に明確な違いがないのをご存じでしょうか。
たしかに「鮭」を英訳すると「salmon」なので、「鮭」=「サーモン」は納得できます。
でも「trout」と英訳される「鱒」もほぼ同じだなんて、少し不思議な気がしますね。
そこでこの記事では、線引きが難しい「鮭」「鱒」「サーモン」の違いに迫ります。
味やいくらの差も調べましたので、参考にしてください。
鮭(サケ)とは?
「鮭(サケ)」とは、川で産卵して海に下るサケ科の魚のことです。
古くから日本で「鮭」と呼ばれているのは、シロザケという種です。
大きさは平均で70cm程度。
寄生虫(アニサキス)がいるため加熱調理が基本ですが、最近は生で食べられる養殖の品種も誕生しているようです。
鱒(マス)とは?
「鱒(マス)」とは、一生を川(淡水域)で終えるサケ科の魚のことです。
大きさは平均で30cm程度なので鮭よりかなり小さめです。
しかし、「マス」の名前が付いていても川を遡上する種類もあるため、区別は非常にあいまいです。
ちなみに、鮭缶に使われているのはおもにカラフトマスで、お寿司屋さんで人気のトラウトサーモンは海で養殖されたニジマスだそうです。
また、「紅鮭」は「ベニマス」、「銀鮭」は「ギンマス」がもともとの名前とのこと。
どれもおいしいので問題ありませんが、名前を出してもらえない「鱒」がちょっとかわいそうになりますね。
サーモンとは?
「サーモン」とは「鮭」のことで、欧米では海に下るものを「サーモン」、淡水で暮らすものを「トラウト」と呼びます。
これは、日本でいう「鮭」「鱒」と変わりませんね。
スーパーなどでよく見かけるのは、キングサーモンやアトランティックサーモンと呼ばれる種類です。
どちらも大きい種類で、体長が1.5mを超えることもあります。
鮭(サケ)・鱒(マス)・サーモンの違い
「鮭(サケ)」「鱒(マス)」「サーモン」はほとんど違いがありませんが、あえていうならば以下のような違いがあります。
- 鮭:川で産卵して海に下るサケ科の魚。
- 鱒:おもに川など淡水で一生を終えるサケ科の魚。
- サーモン:川で産卵して海に下るサケ科の魚、つまり鮭。
ちなみに味については、鱒は鮭に比べて味が濃く、臭みがあるといわれています。
しかし、見た目や味だけで判断できる人はごくわずかでしょう。
「いくら」については、体の大きな鮭のほうが粒が大きめです。
価格も鮭のいくらのほうが高めです。
もっとも、味はよく似ているとのことなので、リーズナブルな鱒のいくらを選ぶのもアリだと思います。
まとめ
- 鮭(サケ)は、川で産卵して海に下るサケ科の魚。鱒より味が淡白。いくらは大きめ。
- 鱒(マス)は、淡水で一生を終えるサケ科の魚。ただし川を遡上する種類もある。鮭より味が濃く臭いも強め。いくらは小さめ。
- サーモンは、鮭のこと。欧米の鮭は日本の鮭(シロザケ)より大きい。
なお、サケ科の魚は白身魚に分類されます。
身が赤いのは、エサの影響だそうです。
将来は、身の白い鮭も誕生するかもしれませんね。