「11人制でボールをける競技は何?」と聞けば、日本人の多くが「サッカー」と答えるでしょう。
でもこの答えは、世界的に見るとごく少数意見なのです。
多くの国で、サッカーは「フットボール」と呼ばれているのです。
ではなぜ、日本ではフットボールではなくサッカーという名称が定着したのでしょうか。
また、同じように足を使う競技の「フットサル」とはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、サッカーと関係のある二つの言葉についてまとめました。
サッカーとは?
サッカーの語源は、「Association Football」です。
どこにも「サッカー」と読める部分はありませんが、「Association」のスラングである「soc」に、人を意味する「er」をつけた造語「soccer」が始まりといわれています。
日本にサッカーが伝わったのは、1870年代(明治時代)といわれています。
当時は「Association Football」と呼ばれていたようです。また、同時期に「アメリカンフットボール」や「ラグビーフットボール」も伝わったそうです。
一説によると、フットボールと呼ばれる複数のスポーツを区別するために「サッカー」という呼び名が定着したのでは?とされています。
実際、サッカーという名称を好んで用いているのは、アメフトの人気が高いアメリカや、オージーフットボールのオーストラリアなどです。
そう考えると、ほかのスポーツとの区別のためにサッカーという名称が定着した、という説に信憑性が増してきます。
フットボールとは?
フットボールは、サッカーのもともとの名称です。
発祥の地であるイギリスなど、世界の多くの国では「フットボール」と呼ぶのが主流です。
もちろん、サッカーとフットボールでルールの違いはありません。
フットサルとは?
フットサルは、5人制のサッカーに似た競技です。
フットサルの語源はスペイン語の「futbol de salon」です。
これが省略されて、フットサルになりました。
ちなみに「salon」は「室内」の意味です。
したがって、フットサルは「室内サッカー」ということになります。
フットサルとサッカーは細かなルールがいろいろ違いますが、もっとも大きな違いはボールとコートの大きさです。
ボールは少し小さめで弾みにくい専用のボールを使います。
また、コートの広さもサッカーの半分以下です。
参加人数も5人と少なく、試合時間も短め、さらに接触プレーが厳しく取り締まられているので、女性や子どもも参加しやすいという特徴もあります。
サッカー・フットボール・フットサルの違い
サッカー(フットボール) | フットサル | |
競技人数 | 11人制 | 5人制 |
ボール | 13歳以上:5号球 12歳以下:4号球 |
4号球くらいの大きさのローバウンドボール |
コートの広さ | 105m×68m | 40m×20m |
ファール | 背後からのボディコンタクトは禁止 | ショルダーチャージ、スライディングタックルなども禁止 |
サッカーとフットボールは、呼び名が違うだけで同じスポーツを指します。
世界的には、フットボールという呼び名の方がメジャーです。
フットサルは、5人制のサッカーに似た競技です。
足でボールをけってゴールを目指す、という点ではサッカーと同じですが、女性や子どもが参加しやすいルールになっています。
まとめ
- サッカーは「Association」のスラング「soc」に、人を意味する「er」をつけた造語。世界では少数派の名称。
- フットボールは、サッカーのもともとの名前。世界的にはメジャーな名称。
- フットサルは「futbol de salon(室内サッカー)」が語源。女性や子どもが参加しやすいルールになっている。
海外の方とサッカーの話をするときは、その方の出身国にあわせて「サッカー」と「フットボール」を使い分けると、スマートですよ。