春先に、道端に咲く小さな紫色の花を見つけたことはありませんか?
「かわいいなぁ」と思いつつ、「これはスミレ?レンゲ?どっち?」と悩んだ経験のある人もいるかもしれません。
スミレとレンゲは花が咲く時期がほぼ同じなうえ、色や大きさなどのイメージが重なるため混同されがちです。
しかし、よくよく見ると色も形もまったく違うことに気が付きます。
そこでこの記事では、このかわいらしいスミレとレンゲの違いについてまとめました。
スミレとは?
スミレは、スミレ科スミレ属の植物です。
花が咲くのは3~5月。
一つの茎に一つの花が咲きます。
一般によく見られる花の色は紫色ですが、どちらかというと青に近い紫色です。
また、黄色や淡いピンクのスミレもあります。
花のうしろの部分が突き出て細長い袋状となっていて、この部分に蜜がたまります。
レンゲとは?
レンゲは、マメ科の植物です。
花が咲くのは4月ごろ。
いくつもの小花が集まって放射線状に広がり、一つの花のように見えます。
花の付け根は白く、先端に行くに従ってピンクから紫へと変化してきます。
もっとも、スミレのような青っぽい紫ではなく、赤っぽい紫色です。
レンゲ(蓮華)という名前は、蓮の花を連想させることから付けられたといわれています。
ちなみに、中華料理で出てくる大きなスプーン「レンゲ」は、レンゲの花とは関係ありません。
スプーンの方のレンゲの正式名称は「散蓮華(ちりれんげ)」で、散った蓮の花の一枚が似ているということで名づけられたそうです。
スミレとレンゲの違い
スミレはスミレ科スミレ属の植物で、開花時期は春です。
青みがかった紫色の花をつけるものが多いですが、黄色や薄ピンクのものもあります。
花の形はうしろの部分が細長く突き出ているのが特徴で、この部分に蜜がたまります。
レンゲはマメ科の植物で、開花時期は春です。
花の付け根の部分は白、先端の方は赤みがかった紫色をしています。
小花が放射線状に集まって咲き、一つの花のように見えるのが特徴です。
なお、万葉集ではレンゲもスミレと呼ばれているそうです。
どちらも昔から日本人に愛されている花なのかもしれませんね。
まとめ
- スミレは、スミレ科スミレ属の植物。花の色は青みがかった紫色が多い。花のうしろの部分が細長く突き出ている。
- レンゲは、マメ科の植物。赤みがかった紫色の小花が放射線状に集まって咲く。
蓮に似ているのがレンゲ(蓮華)、似ていないのがスミレと覚えておけば間違えることはないでしょう。
万が一間違えても、「万葉集ではどちらも一緒だよ」と言っておけば何とかなる…かもしれません。