ケージにたくさんの羽が抜けていて、初めてインコを飼う飼い主さんは心配になることがあるかもしけませんが、換羽はインコにとって、生理的な現象であり自然なことです。
今回は、インコを飼っていれば必ず経験することになる、換羽の時期や注意点などについてまとめたので、参考にしてみてください。
目次
インコの換羽期はいつ?
インコの換羽には、雛が成鳥して大人の羽に生え変わる雛換羽と、季節が変わる時に生え変わる換羽があります。
雛換羽の場合
雛換羽の場合は、インコの種類によって時期に多少の差がありますが、生後半年から1年くらいで始まります。
この時期に大量に羽が抜け始めたら、雛換羽だと思っていいでしょう。
季節性の換羽の場合
次に季節性の換羽です。
これからくる季節に合わせて年に2回、大抵は梅雨から夏の始まりと冬の始まる頃に換羽が起こります。
室内で飼われているインコは、一定の温度に保たれた部屋で過ごしているので、季節感を感じられず、換羽の時期が安定しないこともあります。
ちょうどいい換羽を促すためには、冷暖房を控え、夏は少し暑さを、冬は少し寒さを感じさせて、適度に季節感を与えましょう。
換羽の症状
小さな綿毛から翼や尾羽の大きなものまで、大量の羽が抜け落ちる換羽期には、様々な症状が現れます。
イライラする
換羽期のインコは、イライラしていることが多いです。
いつもは甘えん坊でも、ちょっとしたことで怒ったり、騒いだりします。
換羽期が終われば、いつも通りに戻るので、怒らずに見守ってあげてください。
そんな姿も可愛いので、許しちゃいますけどね。
食欲不振
換羽期には、食欲が落ちてしまう子もいます。
体重が落ちてしまうこともあるので、いつもより栄養価の高いものをあげましょう。
羽を作るために必要な栄養素は、タンパク質です。
特にシード食のインコはタンパク質不足に注意が必要です。
また、正常な羽を作るための栄養補助食品として、ネクトンBioという小鳥用のサプリメントがあります。
羽の艶もよくなりますし、換羽時に辛そうなときにはおすすめです。
元気がない
いつもは元気に飛び回っているような子でも、換羽時には体力が低下し、元気がなくなることがあります。
元気のない時は、放鳥を早めに切り上げて、ケージに戻したほうがいいでしょう。
頻繁に羽繕いをする
換羽時には全体がかゆくなるようで、羽繕いをしたり、止まり木などで頭を掻いていたりします。
普段は触らせてくれない子も、換羽期だけはカキカキさせてくれる子もいるようです。
糞の水分が多くなる
糞が水っぽくなることがあります。
個体差があるようで、我が家では女の子だけ、換羽時に水分の多い糞になってしまいます。
換羽期の注意点
時期や頻度、換羽の終わるまでの日数などは、個体差や飼育環境によって異なりますが、ダラダラと換羽が続いてしまうことがあります。
換羽が安定する対策を
新しい羽は、肝臓で作られるたんぱく質を主成分としています。
換羽が長引けば、肝臓に長期間負担がかかってしまうので、上記の通り季節感を感じさせたり換羽が安定するよう対策をし、それでも終わらない時には、病院へ行って相談しましょう。
また、換羽だと思っていたら病気だったということもあるので、普段からしっかりと観察しておくといいですね。
筆毛が折れたら注意
そして、古い羽が抜けた後には新しい羽が生えてきますが、インコの場合は鞘のようなものに入った状態で、白いトゲトゲのようなものが生えてきます。
この鞘の中で羽が成長して、新しい羽が出てくるのですが、この時にも注意しなければいけないことがあります。
この鞘に入った状態の羽を「筆毛」というのですが、この筆毛には血流があります。
まだ成長途中の血液の通った状態の筆毛が、何らかのトラブルで折れてしまうと、出血してしまいます。
筆毛の血管は動脈で止まりにくく、出血量も多くなります。
折れた筆毛はストローのようになっており、根元から抜かないと出血は止まりません。
インコにとっては、少量の出血も命に関わります。
折れた筆毛を自分で探すのは難しいので、出血をしたらすぐに病院に行きましょう。
あせらずに換羽を見守ろう
- 雛換羽の時期は生後半年から1年くらい、季節性換羽の時期は梅雨から夏の始まりと冬の始まる頃。
- 換羽の症状は、イライラする・食欲不振・元気がない・頻繁に羽繕いをする・糞の水分が多くなる。
- 換羽が安定するような対策を。
- 筆毛が折れて出血した場合はすぐに病院へ。
換羽期にはエネルギーをたくさん使うために、体調を崩しがちになるので、いつもより体調や栄養に気をつける必要がありますが、適切な換羽であれば、ほとんどが問題なく終了します。
注意点を色々とあげましたが、換羽は人間の衣替えと同じようなものなので、インコと一緒に季節の変わる準備をする感覚で、あまり構えずに見守ってほしいと思います。
また、換羽で抜けた羽を取っておきたいという人は、インコを飼っている人には多いと思います。
特に雛換羽は1度だけなので、洗浄して保存したり、インテリアやアクセサリーにすることもおすすめですよ。