愛らしい見た目やコレクター心をくすぐる様々な品種がいるヒョウモントカゲモドキ(通称レオパ)。
飼育も比較的容易と言われている点からお迎えを考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではそんなヒョウモントカゲモドキ(以下レオパ)の餌についてご紹介していきたいと思います。
餌を与える頻度や食欲不振時の対処法など、詳しく見ていきましょう!
目次
ヒョウモントカゲモドキにおすすめの餌は?
ヒョウモントカゲモドキをはじめ多くの爬虫類の主食は昆虫です。
爬虫類自体は平気でも昆虫が苦手で飼育を断念してしまうという方も多くいらっしゃいますね。
しかし昨今ではそんな昆虫が苦手な方に向けて人工フードなども開発されており、比較的飼育のハードルが下がっているので安心してください。
それでは餌の種類ごとに特徴を紹介していきたいと思います。
コオロギ
レオパに与える餌コオロギは主にヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギに分かれます。
生き餌のまま与えることはもちろん、冷凍、乾燥させたものも非常に多く出回っています。
以下に二種類の餌用コオロギの特徴をまとめたので参考にしてみてください。
ハウスクリケットや略称のイエコという呼び名で広く流通しています。
体色は全体的に灰褐色です。
フタホシコオロギと比べると頑丈で死ににくいですが、水切れに弱いです。
管理時に気になる臭いは比較的薄く、見た目的にも虫が苦手な方でも飼育しやすい。
イエコと比べると全体的に黒褐色で、少しゴキブリに似ていることから虫に免疫のない飼育者からは敬遠されています。
しかし、イエコよりも水分を多く含んでおり、水切れにも強いです。
また、フタホシコオロギを選別交配しより体格が大きく嗜好性の増したクロコオロギも多く流通しています。
臭いが少しきつく、神経質な人にはあまり向かないかもしれません。
結局どちらのコオロギを与えれば良いかですが、結論どちらのコオロギでも問題ありません。
飼育しているレオパのサイズや体調を考慮して管理しやすいコオロギを与えてあげてください。
注意点として、どちらのコオロギも鳴くのでうるさく思う事もあるかもしれません。
また、栄養価としては 生き餌>冷凍>乾燥の順に落ちていきますので出来れば生きたまま与えるのがベストです。
デュビア
正式名称をアルゼンチンモリゴキブリという昨今の餌用ゴキブリとしての地位を確立した昆虫です。
ゴキブリと聞かれて驚く方もいると思いますが外国産のゴキブリですので、私たちが想像する一般的なゴキブリとは見た目も大きく異なります。
どちらかというダンゴムシやワラジムシに近いヴィジュアルをしています。
ただ、「家に出てくるゴキブリは苦手だけどデュビアは大丈夫」、または「餌として管理している内に慣れてしまった」という方は大勢います。
また、デュビアの最大の特徴として栄養価が高く、動きも遅い上に臭わないという点が挙げられます。
乾燥した環境を好み多少の餌切れにも難なく耐えてくれるので、コオロギと比較すると管理のしやすさは段違いです。
ミルワーム
正式名称をチャイロコメノゴミムシダマシムシという昆虫です。
ワームという名前からも想像できる通り、芋虫のようなヴィジュアルをしています。
こちらのミルワームも鳴くことがなく比較的管理はしやすいです。
ただし、栄養価の点であまり優れているとされておらず、ミルワームをメインに給餌する場合はガットローディングとダスティングと呼ばれる管理が必須となっています。
ガットローディングはミルワームに与える餌を栄養価の高いものを選定し、ミルワーム自体の栄養価も底上げするという方法。
ダスティングはビタミンやカルシウムなどを含んだパウダーを餌にまぶして給餌する方法です。
この内ダスティングはミルワームだけでなく全ての餌昆虫を給餌する際に行うことが推奨されています。
特にレオパはカルシウム不足を原因としたクル病にかかりやすいので、カルシウムパウダーのダスティングは必須となっています。
レオパゲル
株式会社キョーリンさんより発売されている人工フードです。
その名前の通りゲル状になっていて、レオパにとっても咀嚼しやすいものとなっています。
人工フードに限って言えばダスティングは必要なく、あらゆる栄養素を兼ね備えた完全食となっているので安心ですね。
餌の種類によって好みはありますが、昆虫しか食べないというレオパは比較的多く、レオパゲルしか食べないというレオパはあまり聞いたことがありません。
個体によってはレオパゲルのみで終生飼育可能だと思われますが、念のため昆虫を餌としてあたえる準備もしておいた方が心強いです。
結局、おすすめの餌はどれ?
私の考える一番のオススメはデュビアです。
何より管理が楽で丈夫なこと、そして栄養価に関しても申し分ないからです。
コオロギなどは比較的神経質で、管理を怠るとすぐに全滅してしまいがちです。
また、ミルワームなどのワーム類も管理は楽だが栄養価に乏しいという欠点があります。
それらの両方の欠点を見事に補っているのがデュビアだと言えるでしょう。
ゴキブリに対してあまり抵抗がないという方にはデュビアが一番のオススメです。
しかし、ゴキブリをはじめ昆虫類に対して免疫のない方には、「人工フード」+「コオロギorミルワーム」をセットで管理していくことをオススメです。
メインは人工フードを与え、食いつきが悪くなったときなどはどちらかの餌用昆虫を買い切り管理し与えるという方法です。
ヒョウモントカゲモドキへの餌の与え方
一口に餌を与えるといってもいくつかの方法があります。
大別すると「ピンセット給餌」と「置き餌」の二つになります。
ピンセット給餌
ピンセット給餌は読んで字のごとく、ピンセットから餌を与える方法です。
幼いころからピンセットで餌を与える事によって多くの個体がピンセットから餌を食べてくれるようになりますが、中にはピンセットを怖がって食べてくれない子もいますので注意してくださいね。
使用するピンセットはレオパが怪我をしないように木製の柔らかい素材の物を選んであげることをオススメします。
置き餌
次に置き餌ですが、ケージ内に餌を放置して給餌する方法です。
ピンセット給餌と違い野性味あふれる捕食の瞬間を目撃することができるのがこの給餌方法。
普段の仕事や学業が忙しいという方にとっても餌を放っておくだけなので時間の節約にもなるのが嬉しい点です。
それらの危険性を排除する方法として「餌皿」を用意してあげると良いでしょう。
多くの餌皿は昆虫が皿から逃げ出せないような構造になっているため、レオパにとってもかなり捕食が容易となります。
ヒョウモントカゲモドキに餌を与える頻度は?
餌の種類や与え方がわかったところで、次に気になるのは与える頻度ですよね。
給餌間隔はレオパの年齢により異なってくるので注意したい点の1つでもあります。
以下に年齢別の給餌間隔をまとめておいたので参考にしてみてくださいね!
ベビー(孵化してからおよそ1ヵ月目の個体)
毎日、食べるだけ餌を与えてください。
産まれてすぐのレオパはとても多くの栄養を必要としています。
この時期に豊富に餌を与えられたレオパは太くたくましく成長していくので、今後の健康のためにも毎日の給餌を怠らないようにしましょう。
ヤング(孵化してから1~3ヵ月目の個体)
2~3日に一度、食べるだけ与えてください。
このくらいまで成長すると給餌間隔は毎日じゃなくてもよくなります。
体長も大きくなり尻尾にも栄養がたまりつつあるからです。
ベビー時に比べて成長スピードは少し落ち着きを見せ始める頃合いです。
サブアダルト(孵化後3~8ヵ月目の個体)
3日に一度、食べるだけ与えてください。
サブアダルトにまで成長するとかなり安心感が増しますね。
立派な大人になるまでもう少し、といった感じです。
一度に食べる餌の量も体格に合わせて多くなってくる頃合いです。
アダルト(孵化後8か月~の個体)
1週間に一度、数匹与えてください。
晴れて立派な大人のレオパの仲間入りです。
順調に成長したアダルトであれば尻尾もかなり太くなっており、栄養も多くため込んでいる状態です。
逆に与えすぎによる肥満が心配になってくる頃合いでもあります。
ヒョウモントカゲモドキが餌を食べない時の対処法
レオパはたまに拒食と呼ばれる餌を全く食べない状態に陥る事があります。
その原因は様々ですが、ストレスから拒食になる個体が多いそうです。
ストレスを軽減するには乾燥した環境を避けるために湿度を見直したり、餌の種類の見直しをすることが重要となってきます。
十分に栄養をため込んだアダルトサイズのレオパであればまだ安心ですが、ベビーやヤング時などに拒食に陥ると命を落とす危険性も出てきます。
もしベビーやヤングなどをお迎えした直後であれば、環境に慣れるまでは3日ほど餌を与えずゆっくりと見守ってあげる事がベターです。
徐々に環境に慣れはじめストレスも低減し食欲が回復してくる事でしょう。
また、お迎えする前に今までどのような餌を食べて育ってきたかをしっかりとショップの店員に必ず確認してください。
今まで食べたことのない種類の餌を餌と認識せずに全く興味を示さない個体も多くいるからです。
反対に、今まで食べていた餌に飽きたのか違う種類の餌を与えると食いつきがよくなった個体などもいますので試行錯誤が大切です。
また、アダルト時の拒食はなんらかの病気にかかっている可能性も高いため、あまりにも長く続く場合はレオパを診ることのできる動物病に連れて行ってあげてください。
レオパの目線に立って餌を選ぼう
- 餌昆虫の一番のオススメは「デュビア」、次点で「人口フード+昆虫」
- 「ピンセット給餌」と「置き餌」の二つがある
- 年齢によって餌の頻度は異なる
- ストレスを低減することで拒食を避ける
一口に餌を与えるといっても様々な種類や方法、注意点があります。
飼育者の好き嫌い、レオパの好き嫌いなど餌選びには様々な問題も出てくると思います。
しかし、レオパを飼育する際には彼らの健康を最優先とするためにも一度私たち飼育者側が妥協して、餌を選んであげるのがベストでしょう。
同時に昆虫などの管理を必要とする可能性もありますが、近年の人工フードは非常に嗜好性が高く食いつきもかなり良好で終生飼育する事も可能です。
ですが、可愛いレオパのためにもいざという時は昆虫も管理する覚悟をもってお迎えしてあげてくださいね!
また、拒食についてもしっかりと観察して注意してあげると陥る可能性は低くなります。
飼育者の基本、毎日の観察を怠らないようにして立派なレオパに育て上げてくださいね!