外出すると、必ずといっていいほど目にする電柱。
都市部では地中化が進んでいるエリアもありますが、それでも1日に何本かは見かけると思います。
ところで、電柱と電信柱は違うものだということをご存じでしょうか?
「言い方の違いではないの?」と思っている方も多いと思いますが、実は正式名称も所有者も異なるまったくの別物なのです。
この記事では、私たちの生活に欠かせない電柱と電信柱の違いに迫ってみました。
電柱とは?
「電柱」とは、電力会社が送電や配電を目的として設置したもので、正式名称を「電力柱」といいます。
所有者は各電力会社です。
工事業者の人たちは、電力会社の名前をあたまに付けて「東電柱(東京電力の電柱)」「関電柱(関西電力の柱)」と呼ぶこともあるそうです。
なお、電柱には数本に1本の割合で灰色の大きな円筒形のものが設置されています。
これは「トランス(変圧器)」と呼ばれるもので、電線に流れている電気の電圧を一般家庭で使用できるレベルに変換する装置です。
電信柱とは?
「電信柱」とは、通信会社が電話回線や光ケーブルなどを家庭などに届ける目的で設置したものです。
正式名称は「電信柱」、所有者は柱を設置した通信会社です。
なお、東海地方や関西地方では、電信柱を「電信棒」と呼ぶこともあります。
電信柱にはトランスは設置されません。
しかし、トランスのない電柱もあるため、見た目だけで判断するのは困難です。
電柱と電信柱の違い
電柱の正式名称は「電力柱」で、送電や配電をするためのものです。
所有者は各電力会社で、円筒形のトランスが設置されていることもあります。
電信柱の正式名称は「電信柱」で、電話回線や光ケーブルを各家庭に届けるためのものです。
所有者は、設置した通信会社です。
なお、電力線と電話線の両方を架線するものは「共用柱」と呼ばれます。
電柱にも電信柱にも管理者を示すプレートが貼り付けられていますが、共用柱の場合は地面に近いプレートに示されているのが所有者です。
まとめ
- 電柱は、電気の送電・配電の目的で設置した柱。正式名称は「電力柱」。所有者は地域の電力会社。円筒形の変圧器が設置されているものもある。
- 電信柱は、電話回線や光ファイバーなどを家庭などに届ける目的で設置した柱。「電信棒」と呼ばれることもある。所有者は、設置した電力会社。
ちなみに、個人の敷地内に電柱や電信柱がある場合、3年に1度敷地料が支払われるそうです。
金額はごく僅かとのことですが、そこにあるだけで支払ってもらえるなんて、ちょっと得した気分になりますね。