ニュースなどでよく見かける「不法行為」あるいは「違法行為」という言葉。
どちらもやってはいけない行為を指す言葉だということはわかるものの、違いや使い分けがよくわからないという人も多いと思います。
両者には、どのような違いがあるのでしょうか。
そして、どのような行為が「不法行為」あるいは「違法行為」なのでしょうか。
この記事では、とてもややこしい「不法行為」と「違法行為」の違いについて調べてみました。
不法行為とは?
「不法行為」とは、端的にいえば「やってはいけない行為全般」です。
法律に触れていなくても、やってはいけない行為であれば「不法行為」とされる場合があります。
例えば、子どものいじめ(暴行・傷害などではなく軽い悪口など)や不倫は、必ずしも法律に触れるものではありませんが「不法行為」とされることが多いです。
このような不法行為の場合、逮捕されることは基本的にありませんが、被害者に損害を賠償しなければいけないことがあります。
とはいえ、不法行為をした人に損害賠償を請求するためには、行為者の故意や過失が必要です。
例えば、遊びに来ていた友人の赤ちゃんが高価なものを壊してしまっても、赤ちゃんに責任を問うことはできません。
ただしこのような場合、赤ちゃんの親に損害賠償請求できる可能性はあります。
違法行為とは?
「違法行為」とは、「法律に違反している行為」、特に刑法に反する行為を指す場合が多いです。
そして違法行為が刑事罰の対象となる場合は、罰金刑や懲役刑などが課されることもあります。
例えば、子どものいじめであっても、暴行や傷害などは「違法行為」とされることがあります。
また、自宅前の道路にほんの数分路上駐車した場合でも、車を停めた場所が駐車禁止エリアであれば「違法行為」になります。
不法行為と違法行為の違い
「不法行為」とは、やってはいけない行為全般です。
法律に触れない不倫なども不法行為の一種です。
不法行為をしても法に触れていなければ逮捕されませんが、被害者に損害を賠償しなければならない場合があります。
一方、「違法行為」は、法律、特に刑法に触れる行為を指す場合が多いです。
そして刑法違反の違法行為は、軽微なものであっても刑罰の対象になります。
なお、放送メディアなどでは
- 違法行為=法律に違反する行為
- 不法行為=法律に違反する行為のほか、反社会的な行為
という感じで使い分けていることが多いようです。
まとめ
- 不法行為とは、法に触れるかどうかを問わずやってはいけない行為。
- 違法行為とは、法律、特に刑法に抵触する行為。
ちなみに、「不法行為」は民法709条に規定されている言葉、つまりれっきとした法律用語です。
対して「違法行為」は民法上に特別な取り決めはなく、一般的な言葉として用いられているようです。
いずれにせよ、人に後ろ指を指されるような行為は避けたほうがよいでしょう。