ハムスターをお迎え・飼育する上で気に留めておいてほしいこと、注意しておきたいことが幾つかあります。
この記事ではハムスターの怪我や事故を未然に防ぐ方法をいくつか挙げていきますので、必ずチェックしてくださいね。
目次
ハムスターは怪我や事故が多い
とても小さくてか弱いハムスター。
そんなハムスターは怪我や事故がつきものです。
特に多いのが、
- 骨折
- 脱臼
- 不正咬合
- 誤飲
などになります。
ケージで起こりうる怪我・事故
初心者向けに用意された安価な飼育セットはあくまで簡易的なものが多いです。
見た目がカワイイものが多く、見た目重視(飼育スペースが狭い、遊戯性が高い、飼い主が見ていて楽しいだけで安全性は怪しい、飼育環境として適切ではない)なものがあります。
特に金網がついているものは通気性が良く、夏場の湿気対策には良いものの弱点があります。
齧り木を設置・配置をしていても噛む
ハムスターは一生歯が伸び続ける動物で、ペレットを食べたり齧り木で伸びすぎを防ぐことができます。
金網を噛み続けると不正咬合になります。
治療法は曲がってしまった歯を切ることしかなく、一度不正咬合になると定期的に通院しなければならなくなります。
また、ハムスター自体がケージ自体や飼育環境に不満で齧っている、金網を齧っている音はうるさく、飼い主自身のストレスにもなります。
ハムスターがケージを噛む原因と対処法はこちらの記事で詳しくまとめているので、是非参考にしてください。
ケージをよじ登って転落する可能性がある
ハムスターは横へも上へも移動できる器用な動物です。
好奇心旺盛で上れそうな環境(金網)があれば上へ登ろうとします。
特にドワーフハムスターは体が小さく、転落してしまった場合、金網に足を挟んで骨折や脱臼をしてしまうことがあります。
うんていをして落下する可能性がある
ケージが狭い・ケージを置いている場所がうるさい・落ち着かない(窓際・出入口・テレビの近くなど)・床に直置きして足音が不満など飼育環境にストレスを感じていると「うんてい」をする子もいます。
その姿は一見カワイイ!と思ってしまいますが、ハムスター自身はストレス一杯なのです。
この場合は即飼育環境を見直すようにしてください!
品種に応じた広さの木製の家に変えてみる(齧り木の代わりにもなり、金網の家でも噛まなくなります)のが1番かなと思います。
特にゴールデンハムスターでしたら、水槽型か衣装ケースでのケージに変えるなどの工夫が必要です。
ドワーフハムスターも広いに越したことはないです。
回し車で起こりうる怪我・事故
ハムスターは好奇心旺盛な動物というのは先ほどお話しました。
回し車はハムスターの代表的な遊び道具です。
運動ができて一見良さそうに見えるのですが、裏では「終わりの見えない走り」というストレスがあります。
走って止まってキョロキョロ見回しているのはどれ位移動しているか確認しているため。
延々と同じ所を走っているのは地味にストレスなところもあります。
しかし、回し車を設置し運動することは肥満防止にもなるので悪いことではありません。
ハムスターの種類・成長過程でサイズ選びを間違うと小さすぎて背中が反ることあるので、体に合った物を設置しましょう。
好奇心の話ですが、稀に回し車の上に上り下りを楽しんでしまったり、下の隙間にくぐったり(これはハムスターが地下に潜ろうとする本能です)します。
思わず落下してしまったり、狭すぎる所に潜って骨折・脱臼、酷い時には打ち所が悪く死ぬこともあります。
先生曰く、人間とは違い片方の肺では生きられないそうです。
それを機に今の子には金網に設置しない、床設置タイプ(上にも下にもいかせないよう場所も工夫)に変更しました。
おもちゃで起こりうる怪我・事故
おもちゃで危険なのでは?と思われる代表格が「ハムスターボール」です。
ペットショップで売られていますが、ハムスター飼い初心者に陥りがちな「遊んでいる姿がカワイイ」という無知故に起こる事故で、飼育書や飼育経験者が敬遠する理由です。
しかし、うまく使えばハムスターボールも悪ではありません。
楽しそう・運動になるだろうといきなりハムスターを入れ動けば回りだし、パニックに陥ります。
ハムスターは頭の良い動物ですので、いきなり乗せて封じ込めたりせずにその物に触れさせ、自体に徐々に慣れさせさえすればよいのです。
決して人間のエゴ的な商品ではないと思います。
隙間がある物のはドワーフハムスターは特に足を挟みやすいので塞ぐようにしましょう。
そうすれば怪我は防げると思います。
既製品も良いですが、ハムスターの習性を上手く利用したおもちゃは身近にある物で手作りできますよ。
床材で起こりうる怪我・事故
床材で起こる怪我や事故で圧倒的に多いのは、
- アレルギー(人とハムスター両方)
- 皮膚炎
- 誤飲
です。
ハムスターも(飼い主も)生き物です。
多くの種類が販売されていますが、合う合わないがあります。
症状は鼻水やクシャミ、掻きむしりや出血、脱毛症状など。
アレルギー性皮膚炎もあります。
床材が原因だけでなくストレスが関係していることもあるのです。
床材として使われている種類は以下の通り。
- ウッドチップ…最もポピュラーで保温性もあるが、特に針葉樹タイプはアレルギーが多い。
- 紙…上手く使いこなせないとストレスになる。トイレットペーパーや新聞紙やキッチンペーパーはほぐしているうちに腸閉塞の可能性がある。
- 綿…冬季に与えるとハムスターはとても喜びほぐしますが、誤飲すると消化できず腸閉塞を起こし死亡します!販売はされていますが絶対に使わないでください!
- 土…砂遊びに使われている砂は問題ありませんが、湿度や衛星上の関係上床材としては使わないほうがよさそうです。
- 牧草…ウサギには適な素材ですが吸水性がなく、湿気に弱いハムスターには最適とは言い難いです。ですが、ウッドチップのアレルギーに悩まれてこちらに変更すると改善したという例もあります。
- コーンチップ…アレルギーは出にくいですが、アレルゲンになるのであればアレルギーを発症してしまいます。食べ物ですので他の床材より不衛生(腐る・カビ・虫の発生)があることを考慮しましょう。
綿を除き「これが正解!」というのはないので、お迎えしたペットショップや、ブリーダーさんにそれまで使っていた床材を聞いてみましょう(慣らしやしつけの関係もあり)。
一番ポピュラーなウッドチップでも安物では先が尖ったものがあって怪我をしたり、木くずを落としてあげればクシャミなど改善することもあります。
ハムスターもですが、飼い主さんの家族で木(いわゆる花粉症)やハムスターそのもののアレルギーの方はいらっしゃいませんか?
最近、アレルギーを事情にした「お譲り」を多く見かけます(引っ越しなどは仕方がありませんが)。
アレルギー科でアレルゲン検査を受けてから(ハムスターはオプションになります)のお迎えをお願いしたいです!
床材はハムスター自身のアレルギーも考慮しつつ変更することができますが、飼い主が理由で手放さないといけなくなるのは悲しいです。
ヒーターで起こりうる怪我・事故
ハムスターの飼育において冬場のヒーターは必須です!
ハムスターは夏の暑さに弱いですが、寒さにも大変弱く、室温が10度以下になると疑似冬眠に入ります。
ペットのハムスターは冬眠はしないものです。
目覚める方法を知らないので、一度疑似冬眠(低体温症)に入ってしまうとそのまま死んでしまいます。
「死んでいるように見える」が正解でしょうか。
それ位固まってしまうので、誤って死んでしまった……と勘違いし、生きたまま埋葬してしまうこともあるそうです。
疑似冬眠についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しているので、良ければご覧ください。
疑似冬眠を防ぐため(冬支度として)室温を上げておくのは勿論、ヒーターを用意するようにしましょう!
ヒーターはペットショップで売られています(ハムスター専用といわず、サイズの大きいウサギ用や爬虫類用で代用しても大丈夫です)。
夏場のクーラーと同じく24時間付けっぱなしにしておきましょう!
ヒーター自体の温度は適温に設定されているため、気を付けることはありません。
2月位になると暖かい日もあるので逃げ場も少しだけ用意してあげてください。
ヒーターの使い方はこちらの記事でも詳しくまとめているので、是非参考にしてください。
幸い発見したのがすぐだったので硬直までいっておらず、息の気配を感じたので、カイロをタオルに巻いてハムスターをゆっくりと温め続けたら数時間で生還しました。
ヒーターやドライヤーで急に温めるのはよくないと聞いていたので、疑似冬眠に入っていたらとにかく「ゆっくり」温め続けることです。
個体次第ですが発見1時間以内であれば蘇生することもできます!
それ以降は回復は厳しいです。
数時間で戻らなければ死を覚悟してください。
疑似冬眠を防ぐためには、
- 秋~冬は温度変化(下げないよう)注意する
- 自律神経が乱れないようにする
- 栄養値が高いものを与えておく
- ストレスを与えない(免疫力を高めておく)
ということが必要です。
水で起こりうる怪我・事故
毎日お世話をしていれば問題は起こらないところです。
やるべきことは、「水の取り換え」と「水がしたたった床材を捨てる」です。
特に夏場は気を付けましょう。
「腐った水」、「湿気のある環境」はハムスターの飼育上よくありません。
エサをあげることに加えて必須項目です。
腐った水やエサは下痢の原因となり、湿気のある環境はストレスに繋がります。
数日に一度の掃除の時は口の部分は拭くようにし、大掃除の時は丸ごと水洗いして拭き上げましょう。
ケージの掃除方法はこちらの記事をご覧ください。
部屋内で起こりうる怪我・事故
飼育に慣れている人はケージから出して遊ばせる人は少なくありません。
しかし、それができるのはハムスターと飼い主の関係性が成立している人のみです。
ハムスターの飼育に慣れてない人・お迎えしたばかりで慣れていないハムスターは絶対止めましょう。
ハムスターは好奇心旺盛なのでケージの外に出たがります。
しかし、逃げ出してどこかに隠れてしまったり(そのまま見つからないことも)、よじ上って落下し怪我をすることも十分考えられます。
散歩・遊ばせるとしても必ず目を離さないようにしてください。
お掃除の時は飼い主の視界に入らないので慣れていても危険です。
よそに移してから作業するようにし、放しっぱなしは止めましょう。
ハムスターが怪我をした時の対処法
ハムスターは自分が弱っているのをギリギリまで隠す動物です。
骨折など見える怪我なら人間でも判断できるのですが、脱臼は見つけづらく、誤飲などで内臓が傷ついている場合は見つけるのが困難で、隠し通し徐々に弱って死んでしまうこともあります。
異変に気づいたら待たずに「自分判断」「自宅治療(人間用で代用など)」ではなく、すぐ動物病院に連れて行くようにしましょう!
ハムスターに多い怪我や事故を知って未然に防ごう
- ハムスターの種類に応じたサイズのケージ選び(飼育セットはあくまで一時しのぎ)が大事
- 回し車、おもちゃ選びは慎重に
- 数ある床材選び(ハムスター・人間のアレルギー有無も含め)が大事
- 冬場の飼育にヒーターは必須
- 水は毎日取り換え、湿度管理はしっかりと
- 室内では目を離さない(ハムスター飼育初心者はまず室内へ出さない)
- ハムスターが怪我をした時は自己判断せずにすぐ病院へ
お店には色んな物が売られていますが、良かれと思って用意した物がハムスターにとって思わぬ怪我や命とりになることもあるということを覚えておいてください。
ケージ内の環境がハムスターにとっての生活スペースの全てですので、ハムスターの体・気持ちになって選び、事故やケガに遭わせないようにしましょう。
また、ハムスターを飼う前にエキゾチックアニマルを専門に扱う病院をあらかじめ探しておくといいです。
加えて、任意のペット保険への加入もオススメしておきたいです。
ハムスターの取り扱いは2社しかありませんが、補償内容が全く違うためそれぞれ検討してください。
ペットショップでお迎え時、加入の話があることが多いです。
短命だから……と躊躇するかもしれませんが「命」であることには変わりがありません。
怪我や病気や病院にかかろうとしても人間と違い、自由診療扱いで全額自己負担になります。
夜間診療、レントゲン、手術、になるとかなりの数万円になることも……。
軽度でも長期になると負担になります。