毛引きとは、何らかの理由で、自分の羽を引き抜いてしまう行為です。
ひどくなると、自分の皮膚まで傷つけてしまうこともあります。
今回は、そんな問題行動の一つである、インコの毛引きの原因から対策までをまとめした。
インコの毛引きに悩んでいる飼い主の人や、これからインコを飼う人の毛引きの予防になるよう、参考になればと思います。
目次
毛引きの症状
毛引きの症状としてまずは、クチバシの届く部分のあらゆる場所の羽を抜いてしまうことです。
そして、羽を噛み切る「毛かじり」やクチバシと舌を使って羽を噛む「羽噛み」があります。
下あご、頸部、背部など、体の一部分に羽が生えていない部分を見つけたり、毛先に血液が付着した不自然な羽が落ちていたら、毛引きとみなせますが、クチバシの届かない頭部にも脱毛がみられる場合は、毛引きではない可能性があります。
さらに毛引きがエスカレートすると、羽を抜きすぎて起こる「羽包障害」や自分の皮膚を噛む「自咬」へとなってしまいます。
毛引きの原因
毛引きの原因は病気に由来するものと、精神的なストレスによるものの2種類に分類されます。
病気によるもの
病気によるものは、
- 栄養障害
- 皮下脂肪の過剰な沈着による血行障害
- ウイルス性のものや皮膚疾患
- ワクモなどの外部寄生虫やヘキサミタなどの消化器官寄生虫
など、多くの原因が考えられます。
ストレスによるもの
ストレスによるものは、きっかけは様々で、
- ケージのレイアウトや飼育環境が変わった
- インコ自身のけがや病気
- 飼い主が忙しく構ってあげられずに寂しさや強い依存から
などが原因となっています。
そして、インコは1日の大半をケージで過ごしており、食事も不自由なく与えられています。
その結果、時間を持て余し、毛引きに繋がるともされています。
毛引きを発症しやすいのは
横浜小鳥の病院が行った調査では、知能に優れたヨウムやラブバードに発症しやすい傾向があります。
この他に、オスとメスを比較すると、オスのほうが毛引きを発症しやすいという性別による発症の傾向もありました。
毛引きの治療法
毛引きに対する治療法は、まずは生活環境の改善をすることです。
ストレスを感じさせない環境を用意する
ストレスを感じている場合、治療してもすぐに再発してしまう恐れがあります。
ストレスを感じさせない環境を用意した上で、毛引きの原因となっているストレスを特定し、ストレスを取り除いた後も毛引きが習慣化してしまっている場合は、行動の改善が必要です。
病院で治療する
病院の治療では、医師の指示に従い、治療を選択することになります。
皮下脂肪の過剰な沈着による血行障害が原因の場合は、ビタミン剤や脂肪酸の投与をし、寄生虫が原因の場合は、駆除をします。
精神安定剤やホルモン注射などを用いて内科的治療や、出血で命に危険がある場合には、エリザベスカラーを巻いて、強制的に毛引きを出来なくなるようにすることもあります。
毛引きにならないための対策
毛引きを防ぐには、原因となるストレスを感じさせないことが重要となってきます。
孤独や退屈を感じさせない生活環境を、整えてあげることが必要です。
生活スタイルを改善する
そのためにまず行うことは、食事や睡眠などの生活スタイルを改善します。
食事はビタミンなどが不足しないよう栄養バランスを考え、十分な睡眠をとれるようにして、日光浴も定期的に行うといいでしょう。
ワクモなどの感染が起こらないようケージ内を清潔にし、糞便検査も定期的に行います。
孤独を感じさせない
そして、孤独を感じさせないために、飼い主とのコミュニケーションの時間を増やし、積極的にコミュニケーションを取り、毛引きに興味を持たせないようにしましょう。
飼い主に強い依存をしている場合は、ケージを紙や板で覆い、飼い主の行動が見えないようにして、ある程度の距離を置いて接することが必要です。
いずれも、インコとの関係の改善が大切となってきます。
ケージ内での退屈な時間を防ぐために、おもちゃも設置してみましょう。
毛引きは「毛を抜く」「毛を噛む」といった行動なので、「噛む」ためのおもちゃを用意してみるといいかもしれません。
おすすめのおもちゃについてはこちらの記事も参考にしてください。
毛引きには発情も関係しているので、温度管理を行い、発情しにくい環境も用意しましょう。
毛引きになる前に予防しよう
- 毛引きの症状は「羽を抜く」「羽を噛み切る」など。
- 毛引きの原因は病気によるもの・ストレスによるものなど様々。
- 毛引きを治すにはまずは生活環境の改善が大事。病気が原因の場合は病院へ。
- 毛引きにならないためには、生活スタイルを改善し、孤独を感じさせないこと。
毛引きは野生の鳥にはない、飼い鳥特有の症状です。
主に、孤独や退屈などのストレスから引き起こされます。
今は毛引きをしていなくても、いつ起こるかわかりません。
私はまだ、毛引きをしてしまったという経験はないのですが、些細な環境の変化からも引き起こしてしまうこともあるようなので、気を付けていかなければと思っています。
なるべく原因を取り除いてあげて、毛引きになる前に対策をし、予防してあげることが理想ですね。