ペットボトルや水筒の容量は「ml」で表されていることが多いですが、料理の本などには液体の単位が「cc」で表されていることもあります。
一方で、数学などで体積をあらわすときには「cm3」を使うことが多いように思います。
ところでこの3つの単位、何が違うのでしょうか?
そして、どうしてこんなにいろいろな単位があるのでしょうか?
この記事では、紛らわしい「ml」「cc」「cm3」の違いについて調べてみました。
ml(ミリリットル)とは?
mlの「m(ミリ)」には1000分の1という意味があります。
したがって、mlは「1L(リットル)の1000分の1」のことです。
ちなみに、1リットルは1901年に「1気圧の下、純水1kgが最大の密度になる水温で水が占める体積」と定義されました。
この体積をcm3であらわすと「1000.028cm3」になります。
しかし、このような細かい数字は何かと不便なので、1964年に「1立方デシメートルをさす別名」とされたそうです。
1立方デシメートルは、1辺が1デシメートル(10cm)の立方体の体積なので、1リットル=10cm×10cm×10cm=1000cm3となります。
そして、1mlは1リットル(1000cm3)の1000分の1なので、1ml=1cm3ということになります。
cc(シーシー)とは?
ccは「cubic centimetre」の略です。
「cubic」には「立方の」「3乗の」という意味があるので、ccは「立方センチメートル」の略ということになります。
ただし、ccは「00」と見間違えるおそれがあるため、日本産業規格(JIS:旧日本工業規格)では使用が認められていません。
実際、医療現場で見間違いによる事故が起きたことがあるそうなので、今後ccは使われなくなる運命にあるのかもしれません。
cm3(立法センチメートル)とは?
cm3は、1辺1cmの立方体の体積を基準として表される単位です。
そして1ml=1cm3と定義されていること、ccは立方センチメートルの略語であることから
1ml=cc=1cm3
ということになります。
ml・cc・cm3の違い
mlとccとcm3はいずれも体積を表す単位です。
1mlは1リットルの1000分の1、1cc(cubic centimetre)=1cm3=1cm×1cm×1cmと定義されていますが、1964年に1ml=1cm3と定められています。
単位を変換する際に複雑な計算は不要で、
Xml=Xcc=Xcm3
となります。
まとめ
- ml(ミリリットル)は体積の単位。1リットルの1000分の1を意味する。
- cc(シーシー)は「cubic centimetre(立方センチメートル)」の略。見間違い防止のため使われる頻度が少なくなっている。
- cm3(立方センチメートル)は体積の単位。1cm×1cm×1cm=1cm3。
それぞれ由来は違いますが、「ml」でも「cc」でも「cm3」でも数字が同じなら同じ体積を示します。
今後は「cc」を見かける機会が減るかもしれませんが、古いレシピ本や計量カップなどを見たときに混乱しないようにしましょう。